この条約について承認を求める案件と同時に提案されまして、提案理由の説明が済んだ段階でございます。法務委員会にかかっております。
この条約について承認を求める案件と同時に提案されまして、提案理由の説明が済んだ段階でございます。法務委員会にかかっております。
このヘーグ国際私法会議は、従来主としてヨーロッパの国が加盟いたしまして国際私法統一の事業を進めました関係で、ただいま仰せになりましたような、アメリカ合衆国、中南米の諸国やアジアにおける諸国は、ほとんど加盟しておらない状態でございます。ただ、アメリカ合衆国はこの国際私法会議の事業に非常に関心を持っておりまして、前々回の総会からオブザーバーを送りまして、条約案採択の審議にはかなり積極的に参加しているのでございます。ただ、アメリカは、御承知のように、連邦制度になっておりまして、こういう私法の制度は各州の立法権限として取り扱われております関係上、連邦がこの種の条約に加盟いたしまして、直ちに各州の国際私法の規定をこれに統一するというわけにはま
残念ながらそういう具体的な例をあげることができないのでございますが、従来、日本では地理的な事情もございまして、国際私法の対象になりますような事案そのものが非常に欧米諸国に比べますと少なかった感じでございます。ところが最近では、御承知のように非常に交通機関も発達いたしまして、人的往来が盛んになるにつれ、日本人が外国に出かけていく、そこへ住みつくということが非常に多いわけでございます。逆に外国人も盛んに日本にやってくる。こういうことになりますと、この条約の対象になるような事案もこれからだんだんと出てくるのではないか、そういう不都合が生じないうちに事前に法律体制を整備しておこう、こういうわけでございます。
ただいま仰せの遺留分の問題で、ございますが、これは結局自己の遺産をどの程度自由にその意思によって処分できるかという問題になるわけでございまして、これは相続の実質的な問題であるということで、この条約は遺言の方式だけを問題にしておりますために、この条約の対象からは、はずれているわけでございます。それではどういうふうに処置されるかということでございますが、いま仰せのような事案が、どこの国の裁判所で取り上げられるかということが、第一の問題なわけでございまして、おそらく南米にあります不動産ということになれば、その不動産の引き渡しとか、名義書きかえをめぐって、南米のその国の裁判所で問題になることが多いと思われるわけであります。したがいまして、そ
国際私法の統一ということになりますと、できるだけ多くの国が統一のルールを採用することが望ましいわけでございまして、二国間でそのつど協議して解決をはかるということは、かなり困難なのでございます。たとえば、英国に長年住所を有しますところの日本人が、日本人でございますので本国法、日本法に従って遺言すればいいと考えまして、日本法で遺言をした。英国にももちろん財産を持っております。ところが、その財産について英国で争われたといたしますと、英国では住所地法を適用することとされておりますので、その遺言者の住所が英国にあると認定される以上は、日本法によってした遺書は無効であるということになるわけでございます。これは一方が本国法、一方が住所地法というプ
おことばを返すようでございますが、その人が日本にも財産を持っているといたしますと、日本の財産につきましては本国法に、日本法によらなければならないということになるわけでございます。ですから、委任された弁護士としては、日本法とイギリス法両方に従って遺言をしなさい、こういうことになると思います。それは非常に繁瑣なことでございまして、できればそこまで注意を払わなくても有効な過言ができるようにする。本人の意志が明確にあらわれている以上は、方式がその所定の国の法律に合っていない、別の国の法律に合っているところもあるというような理由で無効になることはなるべく避けよう、こういう趣旨の条約であるわけでございます。
仰せのとおりでございます。その実質についての統一をはかることも望ましいことでありますが、実質の問題になりますと、非常に各国の利害、制度が鋭い対立を示しておりますので、なかなかむずかしい事業ではなかろうかと思うのでございます。
仰せのとおりでございます。
さようでございます。ただ、イギリスもこの条約に加入いたしまして、この条約と同じような内容の国内法を制定しておりますので、遺言の方式が本国の法律にかなっておればそれは有効と認めるというルールが採用されておるわけでございます。したがって、日本人であれば日本民法に従っておればよろしい、こういうことになるわけでございます。
現在までにドイツとオーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ギリシア、イタリア、日本、ノルウェー、英国、スエーデン、ユーゴ、この十二ヵ国が署名しております。したがって、署名国で批准していない国が九ヵ国あるわけでございます。従来の実績に徴しますと、おそらくこのうちの数ヵ国が近い将来に批准するのではないだろうか。明確な見通しを立てることは困難でございますが、従来のあれから見ますと、ドイツとかフランス、イタリアあたりは批准が予想できると思うのでございます。