ちょっとそこのところをごまかしては困りますよ。たとえば昭和四十一年の原子力委員会の年報ですね、はっきり書いてあるのですよ。船種については、実験航海終了後は核燃料、使用済み燃料等特殊貨物の輸送船とする。それから目的についても、二年間の実験航海が終わったら特殊貨物の輸送船として使う。つまり、そういう船として設計して、そういう船として建設に当たってきたということはちゃんと記録に残っていることですね。間違いないですか。
ちょっとそこのところをごまかしては困りますよ。たとえば昭和四十一年の原子力委員会の年報ですね、はっきり書いてあるのですよ。船種については、実験航海終了後は核燃料、使用済み燃料等特殊貨物の輸送船とする。それから目的についても、二年間の実験航海が終わったら特殊貨物の輸送船として使う。つまり、そういう船として設計して、そういう船として建設に当たってきたということはちゃんと記録に残っていることですね。間違いないですか。
六十億円の予算を百億円に変えるときに、それはただの実験船ではむだだから、そういう貨物船として使おうじゃないかということで国会に報告があって承認されたことですね。それが実際には、これから完成して実験航海が終わるまでには、恐らく一千億を超える金がかかるでしょう。その計画したよりも十倍の金がかかるようになった。しかも、そうやって特殊貨物船として使うはずだったものを、去年計画をいきなり変えて、いまでは実験だけにしよう、実用的な用途はないものにしようということに変えてしまった。それから三番目には、この船は最初の設計は単なる実験じゃなしに、使用済み核燃料を運ぶというのは高度な実用ですよ。一番危ない輸送ですよ。だからこれは実用船としてつくったこと
ある程度どころか、当時の政府側の話だと年間一億五千万から二億円は稼ぐのだというようなことまで言っていたわけですね。それで百億円の予算が大体認められた。ところが、一千億円もの金をつぎ込みながら、その所期の目的も達成できない。実用船としてつくったはずのものが去年いきなり変わって、また実験船に逆戻り、これは一体何ですか。 それでもう一つ伺いたいんだが、その実験船のためにわざわざ港を一つつくるというのです。これは全く実験のだめに五百億、六百億とも言われているお金をつぎ込んで、「むつ」だけが入る港をつくるのですか。
そうすると、原子力船以外も入る港ですか。
いま青森県の関根浜を計画しているようですが、あの「むつ」の事故が起こったときに大湊でない新しい港を全国で探しましたね。六十カ所探したはずですが、そのときに関根浜を調査してどうだったですか。
つまり、あのときに港として白羽の矢を立てた六十の中に入らなかった港なんですね。だれが考えても条件が悪いところ。それで、青森湾があるわけですから、あそこのところにわざわざ港を新たに必要とする事情は何にもない。そこに五百億とか六百億とか、ともかく三百二、三十億よりはよけいなお金をつぎ込もうというのですから、よけいなお金をつぎ込んで港を一つつくろうということをあなた方は計画しているわけですね。それで、現地で聞きますと、第二原子力船もやがて来るんだからむだじゃないんだという話をされているそうですが、これは原子力船の専用港なんですか、それとも一般の商業港なんですか。
だけれども、港、商業港というのは何にもないところにいきなり、工業もなければ需要もないところに——笑っていられる閣僚もいますけれども、港を一つ掘ったから栄えるわけじゃないのです。そういう見通しのないところに何で五百億、六百億のお金をかけて港をつくるのですか。ただでさえ財政が足りないと言って政府が青息吐息のときに、何でそういう方針をやるのか、これは明確にしてもらわないと、どういう展望を持っているのですか。
そうすると、結局は話が違って、原子力船のために必要な港ではありませんか。 では、「むつ」の次の第二原子力船というのはいつごろできる見通しなんですか。
しかし、あなた方が関根浜に白羽の矢を立てるまでは、青森県の経済や東北の経済から言って、あそこの太平洋岸に新しい港が必要だという話は何もなかったのです。だから、要するに原子力船「むつ」の処理をするために、大湊を断られたから新しい港をつくる、それだけのことでしょう。それで、いままでの政府の方針によると、第二原子力船は民間によると書いてあるけれども、実際に第二原子力船を計画している海運業界がありますか。
その事業団の人がいろいろ勉強し合っているだけで、第二船の計画は具体的には何もない。この事業団の理事長が、「エネルギーレビュー」という雑誌に「原子力船時代は来るか」ということを書いて、そういう質問に対して「いつかは来ます、二十一世紀には。いまは油もずいぶんたくさんあって、原子力船は要りませんけれども、」これは一番熱心な原子力船研究開発事業団の理事長の言明ですよ。具体的にはどこにもないわけですね。それで、第二船の計画はどこにもない、そのために新しい港をこの時期に五百億、六百億でつくって「むつ」だけの港にする。その「むつ」が一体どういう値打ちがあるかということがいま問題なんですよ。 一番最初に「むつ」をつくったときには、これはもう実用
若干のお金と言いますが、さっき三百二、三十億以上だと言ったけれども、大体関根浜に港をつくるとしたら五、六百億かかると言われているのですよ。それが若干だというのが、行政改革に命をかけると言った、政治生命をかけると言った鈴木内閣の閣僚の言葉というのは、私は驚きだと思うのです。それだけの、五、六百億ものお金を一体ほかに使ったらどれだけのことができるのか、そういうことを考えないで、ただ「むつ」だけの後始末のために使おう。しかも、舶用炉の開発のためだと言うけれども、大体あれはすでに開発されて実用になるというつもりで始めたわけです。ところが、去年の計画をごらんなさい。まだ舶用炉は開発されていないんだ、これから舶用炉の開発の研究をするんだ。そうい
ちょっと待ってください。再処理をコストとして考えるというのは新しい方針じゃないですか。それまでも再処理はコストに計上するという考え方だったのですか、あなた。
ちょっと、肝心なことを隠しちゃいかぬですよ。ここに私は公益事業部のそのときの会議についての報告を持っていますが、原子力バックエンド費用のうち、使用済み核燃料の再処理費用についてはこれまでは資産勘定にしていた。つまり再処理のコストはかかるけれども、再処理によって生まれるプルトニウムやウランの方が高い。だから、これはコストじゃなしに資産勘定だというように扱っていた。核燃料を資産として計上し、費用扱いはしていない。ところが、その勘定が狂って、再処理の費用がはるかに高くなって、プルトニウムやでき上がるウランの値段をはるかに上回ったのでコストとして計上せざるを得なくなった。大転換でしょう。それを確認したのが去年の部会じゃないですか。
だから、わからなかったからじゃなしに、あの再処理工場を実験プラントじゃなしに商業用でちゃんと経済性に合う工場につくるということを政府は決めたわけですね。そのときには、経済性はちゃんと成り立つということを明確にしてやったはずなんですよ。そのときにはちゃんと試算もしているのですね。再処理のコストはこれぐらい、それから、でき上がるプルトニウムやウランの買い上げ価格はこれぐらい、これはちゃんと利益になるということを試算してやっているわけですよ。ところが、その計画が全然狂ってきた。私ども試算してもそうなんですけれども、この間新聞に出たところによりますと、電力会社が企業によっては、予定していた経常利益の半分が吹っ飛んでしまう、年間に吐き出す使用
トン当たり一億三千五百万円。百万キロワットの原子力発電所が動きますと年間三十トンの使用済み核燃料が出ますから、それだけで約四十億円コストがかかるわけですね。それをいままでは四十億円かかると思わないで、これは資産だ、計算したらプラスになってもうけになるんだと勘定してやっていた、去年の十二月までやっていた。いままで膨大な量がたまっておりますが、それはだから全部いままで勘定しないできたわけですね。これだけでも大失態だと思うのですね。 しかし、なぜこんなことになったのか。東海村で商業用の再処理工場をつくるときに、なぜそういう誤算をしたのか。これはまた科学技術庁になるんですが、あの工場を建てるときに、再処理費用というのは大体どれぐらいでで
だから、操業のときに、つまりいまは計算が狂ってきて、もうけだと思ったのが大変な費用がかかることがわかった。操業のときにどういう計算でもうけだと考えたのか。——操業でなしに建設に踏み切るときにですね。そのときに試算をやっているでしょう、科技庁で。どれぐらいの再処理費用と考えていましたか。
私はここに昭和三十九年五月二十七日の原子力局で計算したコスト計算の表を持っていますが、これによりますと、トン当たりの再処理費用は八百九十五万円でできる。それでウランとプルトニウムが約四千万円で売れる。トン当たり八百九十五万円の費用でできて、輸送費を二百万円勘定しても、トン当たり二千九百三十五万円もうかる、こういう計算を科学技術庁がやっているんですよ。それに基づいてやっているわけですよ。トン当たり八百九十五万円でできるはずのものが、いま一億三千五百万円。物価は三倍ちょっとでしょう、その間に。ですから、その間に予想が狂って、十何倍の費用がかかるようになった。これが現実ですね。どうでしょう。
つまり、勉強中にいろいろな実験の設備をつくらないで、電力業界が必要だからというので、まだ勉強中なのに本格工場をつくっちゃった。ですから、最初の計画と十五倍も狂うようなめちゃくちゃなことが生まれるのですね。たとえば、一番最初に建設するときに、予算はたしか二百二十八億円の建設予算で試運転まで間に合うという計算をしたはずですが、実際には東海の再処理工場に、去年の本格操業に入る前にどれぐらいかかりましたか。
借入金といっても最後は返さなければいかぬわけですね。つまり、ここでも二百二十八億円の予算で始めたものが、実際にでき上がるまでに一千億円を超えるお金がかかっている。しかもその結果は、最初に考えた予算よりも物すごく高いもの、電力会社のコストに響くようなものになっている。しかも一億三千五百万円でやって、いま採算とれていますか。
たとえば、去年でも、これは事前に伺ったことなんであれですが、建設費が百二十億円、それから操業費が七十億円、約百九十億円つぎ込んでいるのですね、去年一年間でも。もう試運転段階は終わって、それで四十トンしか再処理できなかったわけですから、一億三千五百万円かけてみてわかるように、これは実際に去年一年間かかったコスト、それまでに投資した分は抜きにしても、去年一年間かかったコストの半分ぐらいしか上がっていないわけですよ。 それで私が伺いたいのは、やはりここにも電力業界の注文に応じて、まだでき上がっていない技術を簡単に国の投資で商業化して、それでにっちもさっちもいかなくなる。「むつ」と同じことがあらわれているわけですよ。 たとえば、この