お答えいたします。終戰後六年、戰死者であるから、あるいはまた戰死者の遺家族であるからといつて、国家から何らかそれに報いる手段をとつたかと申しますと、何らそれに報いることはないのであります。しかしながら、国家の犠牲になつた遺家族の方々が、従来とも叫びたいことをがまんして、押えて、隠忍して今日に至つておられます心境に対しましては、私は国民として、敬服のほかないのでございます。私といたしましては、就任以来、何らかしてこの戰死者に対し、遺家族に対して、国家として報いるべきことがなくてはならぬと思いまして、いろいろと考究中でございます。講和条約もまさに近く結ばれんとしておりますし、私は講和条約後に報いるところがあり得ると、今までは信じておりま
