「恍惚の人」を読みましても、一つの問題点として、お年寄りをどこで養生さすかというのが一つの大きなテーマだと私はあの小説を読みながら思ったのであります。あの有吉佐和子さんは簡単に、家庭の中で療養するのが最もいいんだ、こういう結論を出し、あの指導員もそのようなことを言われております。しかし、現在あの陰惨なる「恍惚の人」なる小説の中で考えられるのは、一体夫婦共かせぎの中で家族療養がはたしていいんだろうか、家庭療養がいいんだろうかという大きい問題を投げかけているんだろうと私は思う。それはもちろん共かせぎ家庭でない家庭においては、家庭で療養するのが望ましいことだと思います。しかし、公務員の中でもおそらく六割ないし七割は奥さんが内職しなければ生
