ブラッセルにおりましてNATOを担当いたしておりますことから、欧州の安全保障に絞って御報告申し上げたいと思います。 冷戦構造が崩壊いたしまして、ヨーロッパの防衛をめぐります地図も一変したことは御承知のとおりでございますが、昔、脅威論につきまして能力と意図ということが言われました。今、ヨーロッパでロシアが攻めてくるということを考えている人はもうなくなったと申し上げていいと思いますが、能力に関して申し上げれば、御承知のようにロシアは依然として核超大国であるわけでございます。即戦力、機動性が著しく低下したということは言われているわけでございますけれども、なお膨大な軍事力を有している、その軍の先行きの不透明感というものはなお存在している
