五、六年前のことですけれども、東京大学の谷下雅義という教授が論文を発表しております。「公共事業用地取得における利害調整システムに関する考察」という論文でございます。 この中で、なぜ住民と行政が利害対立するのかという要因分析をされた上で、利害対立には事業者と地権者の合理的行動が社会的に望ましい結果をもたらさないという囚人のジレンマ、とらわれ人でございますが、囚人のジレンマ構造が潜んでいると指摘されております。 囚人のジレンマというのは、二人の囚人がいて、別々の取り調べ室で強盗を働いたか働かなかったかという取り調べを受けたときに、お互いに黙秘した方がいいとわかりながらも、実際には自分のやったことを自白してしまう。一番損な選択をす
