今も言った通り、この航路は南西の風におきましては、いつの場合においても一番危険な航路であります。瀬戸内海においては西北西の風がこれまた一番危険な航路であります。風の方向によりましては、この内海航路と外海航路とはこの近海においては全く逆な現象にあるのです。こういう場合に、今申しましたようにいたずらなる競争のために、そういう無謀な出港をあえてするというようなことは断じてやめさせなければならぬ。そのためには——いわゆるいつも犠牲が出れば、船長にだけその全部の責任を負わしめておる。いわば営業面の責任担当者についてはその責任は軽んぜられるのが、いつの場合においても今までのしきたりであります。死人に口なしと申しますけれども、私はそんな無責任なこ
