次に私は、この法案を作らざるを得なくなった理由は、何と申しても世界の実情に照らしてわが国内における繊維産業の合理的な体制の確立にあると思うのであります。ところがふり返って見ますると、今日の日本の産業全体の構造から見ましても、またその一部である繊維産業の実情から海外の実情をながめてみましても、戦前とは全くその様相を異にいたしておると思うのであります。ことに戦前の日本の繊維産業が各所においてボイコットを受けました大きな原因は、何といっても日本の労働水準の低率化と、それに伴いまする価格の低率化、それと粗製品の乱造にあったと思います。やはりこれを防いで少くとも——量産はもちろん必要ではありましょうけれども、それと同時に品質の改善、また労働水
