手をねじ上げたり、或いはそれを奪取した者の顔なり、名前なりはあなた知つておるのですね。
手をねじ上げたり、或いはそれを奪取した者の顔なり、名前なりはあなた知つておるのですね。
その名前はここでは言いたくないというのですね。職務上のことですから言わなくてもいいのですが、言いたくない。
それから厚生部長がそこへ駈けつけて来て、厚生部長の前では暴行は受けなかつたですね。
奪取されたのは厚生部長の来る前ですね。
そのときには厚生部長はいなくて、学校のほうで巡視とか、そういう責任者がおりましたか。
その巡視は、あなたが発見せられて舞台で吊し上げられたり、或いは奪取せられるまでは、それまでは何ら制止することなく見ておりましたか。学生を制止しようとしましたか。
五、六人いたというのはどういうとき。
厚生部長及び巡視が相当の数おつて、その前であなたが始末書を書かされた。
あなたが書かないと言つたら、部長が明日一時に返すから書けと、こう申した。
その始末書はあなたが書いたのじやなしに、誰か書いたものを持つて来て署名さしたのですね。
それを持つて来た者もよくわかつておるね。
そうすると、それはあなたがそのときに署名をせられたのは、厚生部長がそういうことを、明日一時に返すという條件を言つたから、あなたの自由意思でやつたのか、それともあなたが自由を拘束されて、その場の情勢から止むを得ずしたのか、どうです。
書かななければ又暴行されるとか、そういう危險を感じて書いたのじやないですね。
部長の顔を立てるために書いた。
それは今委員長も一松委員も心配しておられるのですが、現在その手帳は目の前になし、どうも記憶がない、併し或いは書いたかも知れないという程度ですね。絶対に書かないということはここで言わないのですね。
私もこれはあなたがちよつと書いたからといつて、別に上司の指図でやつたというわけでもないし、あなたは警備の責任上いろんなことをやつて、何を書いたかわからない、こういういろんな問題で非常に動揺している際だから、確実な記憶はない、併し絶対に書いたことはないと否認はしないのですね。記憶がない…。
わかりました。
今は記憶がないが、併しもう一度帰つてよく実物も見、或いは筆蹟の写真も見て、よく一先ず考えて或いは思い出すかも知れませんという程度でもいいです。(笑声)今は記憶してないけれども、又落着いて……今あなたはここで絶対に書かないと否認するというと、今大分委員がたが心配しているように僞証問題になるのだから、断言しないでも、人間だから誰でもそういうふうにぼんやりすることもあるのだから、今は記憶してないけれども、併し又落着いて手帳を見て考えて見れば、或いは書いたことがあつたかも知れないということを思い出すかも知れない、そういう余地は残つているのですか、いないのですか。
それをはつきり言いなさい。それではあなたは今ははつきり思い出せないが、このプリントだけではどうも思い出せないし、大分疲れたし、興奮もしているが、実際の手帳を見せられてよく当時のことを回想して見れば、或いは書いておつたかも知れないということは又考え直すかも知れないのですね。
議事進行について。大分、午後一時から開かれまして、長く勉強しておりますし、証人もやや少し疲れておるようでもありますし、我々も疲れておるのでありますが、この際証人を残しておりますので、暫時休憩をせられんことの動議を提出いたします。