その報告をしたとき。
その報告をしたとき。
ほぼ同じです。
はい。
私自身実は困つておるのです。
大手筋から私は寄附してもろう。その考えは何となれば大手筋は大抵東京の在住者であるし、東京に家をもたれて自分の事業傍らこの運動ができたのだが、われわれは自分の仕事を抛擲しておいてここに來てやるんだ。そうして身銭を相当使つておるのだ。大手筋がこの運動に対して八割の出炭をもつておるのです。全國の大手筋というのは十二、三社ある。だから六百万円くらいのものは相談したらとれるだろう、こう私が考えておつたからそれで皆に迷惑をかけぬ、こういう氣持でおつたのです。ところが制限会社とか整理会社とかいうことでそういう金が出せない、出さないから私は今困つているのです。
何ですか。
いやさつきも申し上げた通り、この運動が十二月まで続こうとは毛頭考えていませんでしたし、最初は二週間くらいのつもりで三十万円くらいの金を用意しておつたが、大分長くなり、十二月まできた。その金でやれるものと思つていたが、深みにきてその結果いけなくなつたので、その金を私は大手筋に寄附してもらおうと考えておつた。ところがある人に聽いてもらつたらそれは出せない。なぜ出せないかと聽くと、うちは制限会社だ、いやうちはどうだというので、これは困つたこと……。
そうではない。
通らなくても当然話せばわかつてくれるものという考えはあつた。しかし通りもしませんし、話もできぬ。出せと言つても出さない。こういうことになつたわけです。それで今困つているわけです。
いや出しません。
得をするとか、損をするとかということのほかに……。
そんなことはありません。得とか損とかということでなしに……。
何ですか。
いや利益ばかりではない。減産する、増産するという考え方も大きな役割を占めておつたのであります。
悪いとかよいとかいうことは、われわれもまよ迷つたところです。大手筋自体がどうにも……。
違つておりはしないかと思つたこともある。なぜかというと、大手筋というのはにつちもさつちもいかない。炭鉱に金がある。それが國管になると借金を引受けてくれる。そういうことから國管を念願している人があるのじやないかということも出たが、通つたから得たということは必ずしも言えぬのじやないかと思います。しかし私たちはこうした方が増産になるからということで、増産、減産ということがおもなるわれわれの考え方であつたということを申し上げけるのであつて、得だつたとか、損だつたとかということは第二義的です。得ならば大手筋で結局出してもらえる……。
そうです。
おそらくわれわれが陳情に行つたから反対に変つたのではなくて、最初から反対でなかつたかと考えます。
陳情に行つたときに、われわれはもとより反対だから、あなた方しつかりおやりなさいということで激励されたから、おそらくわれわれが陳情に行く前にきまつたことだと思います。
私はさつき申しましたように一人でも多く、かりに自由党の人でも、また社会党なり、民主党なりに懇意な人があれば、業者から見れば必ずしも増産にならないのだと言つてもらうこともありますし、一人でも多く理解してもろうことを考えておつたのです。