これは内閣から国会に正式に提出しております文書でございますので、果たして政府から資料として差し上げるのになじむ文書かどうかは別といたしまして、御参考までに写しをお配りいたしたいと思います。
これは内閣から国会に正式に提出しております文書でございますので、果たして政府から資料として差し上げるのになじむ文書かどうかは別といたしまして、御参考までに写しをお配りいたしたいと思います。
本件条約と現行条約と比較対照いたしまして、最も重要と思われます点を三点にしぼりまして御説明申し上げたいと思います。 新条約の最大の特色は、いままさに大坪委員御指摘のとおり、引き渡し対象犯罪が拡大されたことでございます。現行条約は、殺人、強盗その他古典的な十五の罪種に分類されました限られた数の犯罪を引き渡し犯罪として列挙しておるわけでございまして、いわゆる罪種列挙主義によっておるものでございます。これに比べまして、新条約は、基本的には包括主義という考え方に基づきまして、日本国の法令及び合衆国の連邦法令により死刑または無期もしくは長期一年を超える拘禁刑に当たる犯罪、それからさらに四十七の代表的な引き渡し犯罪というものを付表に列挙して
御指摘のとおり、非常に単純な包括主義をとりまして、たとえばこの条約のように死刑、無期あるいは長期一年云々というふうな規定ぶりにいたしますと、現実に犯罪が行われました場合には自分の国の刑法と相手の国の刑法を調べなければいけない。特にアメリカの場合には御指摘のような連邦法と州法の関連もあるわけでございます。そういう点も考慮いたしまして、私どもは交渉の際に最も典型的であると思われる罪種四十七種類をこの条約の付表に掲げたわけでございまして、この犯罪は、もちろんその量刑の問題はございまするけれども、それぞれ引き渡しの対象として両国が考えておるわけでございます。したがいまして、この四十七種類にむしろ列挙されておらない犯罪というものにどんなものが
先生がただいまおっしゃいましたハイジャック条約と申しますのは、いわゆるヘーグ条約のことであろうかと思いますが、ヘーグ条約に基づきますと、ハイジャックを行った場合にはその犯人を引き渡す、それから引き渡さない場合におきましては、その犯人の所在国が自国の訴追の権限のある当局に事件を付託しなければならないということになっておるわけでございます。したがいまして、ハイジャックが行われまして、その犯人がハイジャック条約の締約国においてたとえば逮捕されるというふうな場合におきましては、これをその登録国等に引き渡すかあるいは自分の国で訴追するという義務を負っておるわけでございます。またハイジャックと考えられます犯罪につきましては、今回の条約におきまし
この第四条に規定しておりますような政治犯罪人の不引き渡しといいますのは、各国の国内法、犯罪人引渡し法であるとか、あるいは諸国が締結しております引渡し条約において常に規定されておるところの事柄でございます。 しからばその政治犯罪とは一体何かということになりますと、国際慣習法上はこれを、若干抽象的な表現でございますけれども、ある国の政治的な秩序を侵害する犯罪であるというふうに考えられておるわけでございますが、しかしながら具体的な犯罪が、果たして引き渡し請求の場合にこれを政治犯罪というふうに判断するかしないかということは被請求国の方にゆだねられるというのが一般的な国際慣行であるわけでございまして、学説等におきましては、その政治犯罪には
自国民の引き渡しに関しましては、これはあくまで裁量でございますから、絶対に引き渡さなければならないというケースはそもそもまずないわけでございます。 いま大坪委員が例として挙げられましたケースについて考えてみますと、日本人が米国内において仮に殺人を行ったという場合には、もちろんこれはアメリカの領域内における殺人でございますからアメリカが犯人を逮捕し訴追するということになるわけでございまして、これはもちろんわが国の国外犯にも該当いたしますから、わが国としてもその本人を訴追することはできるわけでございますけれども、実際には米国でそのような措置がとられるということになろうかと思います。 それから、その殺人を犯した後で何らかの理由でア
犯罪人引渡し条約は、一般的に申しまして、ある国の法律に違反いたしました後に、その国の公権力のもとから逃亡いたしまして、他方の国に逃げた、そういうものを引き渡すということを約束しておるわけでございまして、したがいまして、日米条約もそうでございますが、引渡し条約は、一般的にそういった自然犯を中心とする一般犯罪を引き渡すということを主として規律しておるものでございます。 それから、その手続等につきましても、条約によっては若干の差異はないわけではありませんが、ほぼ確立した国際慣行というものがございまして、それに基づいて引き渡しが行われるということになっております。 それから、日米地位協定は、米軍がわが国に駐留しておるという、いわば非
いまの先生の御指摘のようなケースでございますが、そもそも地位協定十七条五項が対象としておりますような状況において、相互にその引き渡しの協力の義務がある。いまの場合にはアメリカ人が日本で犯罪を犯しまして、その後何らかの理由で米国に帰ったという事態を想定しておられるのだと思いますけれども、こういったものにつきましては、私どもは地位協定十七条が適用されるという立場でございますので、犯罪人引渡し条約をもってこれを律するということではなくて、地位協定によってその引き渡しを求めるという考え方でございます。
まず政治犯罪という概念についてでございますけれども、これは抽象的に言いますと、ある国の政治的な秩序を侵害する行為である、こういうふうに通常定義されておるわけでございますが、その中でいわば純粋な政治犯罪、それから相対的な政治犯罪との二種類あるというのが学説等で言われているところでございます。 そこで、特にいま御指摘の第四条の後段の方でございますけれども、いま申し上げましたような二種類の学説に従いますと、相対的な政治犯罪というものは、純粋な政治犯罪に関連いたしまして通常の刑法犯を犯したような場合であるとか、あるいは政治目的によって普通の刑法犯を犯した場合ということになるわけでございます。そこで、特に相対的な政治犯罪というふうな場合に
そもそも政治犯罪人は引き渡さないという一種の主義と申しますか、原則的な考え方が出てまいりました背景には、大きく言って二つあると思うわけでございます。これは政治犯罪人不引き渡しの問題を歴史的にたどってみますとそういうことが言えると思うのでございますが、一つの大きい柱と申しますのは、その犯罪人あるいは被疑者の人権の保護といったような観点であろうと思います。すなわち、仮にその人間を引き渡した場合には、請求国の方で政治的な背景で不当な裁判をするのではなかろうかというふうな疑いがあるとか、あるいは、そもそも政治的な価値観というものは国によって異なりますから、異なった価値観で判断されて犯罪人とされておる人間を引き渡すことが妥当かどうかということ
最高裁の判決がすでに出ておりますケースにつきまして、それがいいとか悪いとかということを申し上げるのはいかがかと思うのでありますが、ただ、いま先生のおっしゃいましたことについて二点だけ、コメントをお許しいただければしたいのでございます。 この裁判で争われました点に関連して一つ申し上げたいのは、政治犯罪人という概念の問題でございまして、この尹秀吉氏自体は政治犯罪人という概念には当たらない方であるということは言えるのだろうと思います。すなわち、政治犯罪人はある国において犯罪を犯して、有罪判決を受けている場合もあれば、起訴されておるとかあるいは捜査の対象になっておるというふうなことがございまして、そうしてその国から、わが国ならわが国へ引
まず、世界人権宣言にお触れになりましたが、特にこの不引き渡しとの関連の大きいのは第十四条が特に関係が深いのかと思いますが、いずれにいたしましても、人権宣言自体は条約ではございませんので、それが法的な拘束力を持つというものではないということを申し上げたいと思います。政治犯罪人を引き渡さないということを二国間で約束いたします場合におきましても、その約束の趣旨は、本来主権国家としては犯罪人を引き渡す義務は何ら負っておらないわけでございますが、この条約によりまして一定の手続、要件に従って犯罪人を引き渡すということを約束するわけでございます。そこで、政治犯人を引き渡さないという規定が本件日米条約にも入っておるわけでございますが、これはそういう
私が先ほど申し上げましたことは、この政治犯人不引き渡しという原則がまだ国際慣習法と言うに至っていないという点のみを実は御説明したわけでございます。その理由は、繰り返しになりますので詳細は申し上げませんが、仮に慣習国際法であるということになれば、それはたとえば義務であるということになるわけでありますが、国と国との間の義務としてこの政治犯人の不引き渡しというものを考えることは非常に困難ではないかと思うわけでございます。仮定の話といたしまして、米国がわが国に政治犯人の引き渡しを請求してきた、わが国がそれを引き渡したというときに、わが国がアメリカに対して義務違反を犯したというのは非常にこっけいと申しますか、つまり日米間の義務違反という問題に
先生の御質問の趣旨をあるいは正確に理解しておらない答弁かとも思いますが、まず外交的庇護についてのわが国の考え方というのを申し上げたいと思います。一般国際法上、いわゆる外交的庇護権というものは承認されておらないわけでございます。一部の国におきましては、条約でもって外交的な庇護権を認め合っておるという例はございます。ラ米等でございますが、しかしながら、わが国は、わが国に存在いたします外国公館にこのような庇護権を認めておらない、また外国にございますわが国の大使館もそのような庇護権を要求はしない、これが日本政府の政策でございます。 そこで、いまの先生のおっしゃいます政治犯罪人というものはどういうカテゴリーかということになりますけれども、
自国民をいかなる場合に引き渡すかということの判断は、いろいろな問題をやはりこれは総合判断して決めなければいけないと思いますが、たとえば、その自国民についてわが国の法制上処罰可能であるかどうか、わが国も国外犯の規定もあるわけでございますから、日本自身の手によって処罰するということが可能な場合には、そういう手段をとるべきではないかということと、それからその事案の内容、重大性、あるいは米国における処罰がどういうふうになろうかということに関する判断、そういった点を事案ごとに個別に検討いたしまして結論を出すということでございます。
交換公文をごらんいただきますと、二つの事項が書いてございます。 第一項についてごく簡単に御説明いたしますと、これはアメリカの事情を特に考慮した規定でございまして、アメリカの制度によりますと、アメリカの検事は日本国の利益を代表するという、そういう資格で米国の中で行動する、この引き渡しに関連してでございますが、そういう制度になっておるので、そのことを何らかの付属文書で明らかにしてもらいたいという希望がございましたので、十四条との関連でこの規定を置いたわけでございます。また、それに対応してわが国についての規定も置いておりますが、この内容自体は、行政権の範囲内で取り決め得るものでございますので、第一項は国会承認事項でない問題であるという
一般に日本の国の外におきまして米国の軍隊から脱走いたしまして、日本に入ってくるという米国の軍人についての御質問というふうに考えるわけでございます。地位協定の一条(a)に「合衆国軍隊の構成員」という定義がございますけれども、これはもちろん日本に配備された軍隊の構成員のみならず、米本土等から日本に配備された米軍との連絡の任務で来るというふうな者も、その者が米軍人であれば日本の領域にある間は合衆国軍隊の構成員というものに該当するわけでございます。ただし、そのような場合には、地位協定上の定めによりますと、第九条三項の規定がございまして、身分証明書のほかに個別的あるいは集団的な旅行命令書を携帯しておるということが要件になっております。そこで、
脱走兵の場合に、それが政治犯罪であるかどうかという点につきましては、もちろん脱走のときの個別の事情によって判断する必要があるわけでございます。本来、こういった条約で想定しております政治犯罪という概念は、基本的にはある国の政治秩序、特に基本的な秩序を侵害するものがこれに当たると考えられておるわけでございます。 そこで、軍隊から脱走するというだけのことでございますと、これはその国の基本的な秩序を侵害する行為というふうには考えられない、単なる軍の規律に違反した人間というふうにみなされるわけでございます。もちろん個別にいろいろな背景や本人の動機等も検討の必要もあるかと思いますけれども、そもそもこの条約で想定しております政治犯罪という概念
本来政治犯罪という概念のほかに政治的な犯罪とも呼ぶべきカテゴリーがあると思うのでございます。 たまたまいま先生が具体的に御指摘の場合がそのどれに当たるかということは、先ほど申しましたようにいろいろな要因を総合判断する必要がございますけれども、世界全体の傾向から申しますと、政治的な目的を掲げてある国の法秩序を乱すというものはやはり処罰すべきであるという考え方が強まっておるのが一般的な傾向かと思うのでございます。もちろんその人間の宗教的な物の考え方、人権擁護との関係というふうな点も個別の事案に関しましては検討すべき問題であろうと思いますけれども、単に本人の政治思想に基づいて軍隊という集団が当然要求する規律に違反したという場合に、これ
現在のところは、いま有効でございますこの日米犯罪人条約をまず改定することが最も必要であるということで、そのほかに特定の国と交渉をするという予定はございません。若干の国からはこの種の条約を結びたいという申し入れはございますけれども、その特定の国と近く交渉を始めるということは決めておらないわけでございます。 しからば、今後わが国としてはこういった条約をつくっていく一般的な方針かという御質問に対しましては、そのとおりであるとお答えできると思います。すなわち、犯罪を抑圧するために、国際協力を進めることは非常に必要なことである、最近の交通機関の発達等によりましてますます必要になっておるというのが私どもの認識でございまして、したがって逐次条