私から基本的な点を申上げますと、従来警視庁におきましてもう過去何年となく私は労働争議を経験いたしております。その際の警視庁側の基本的な方針といたしましては、もとより警察が労働争議に絶対に干渉してはいかん、又労働運動は法にきめられたる適正なる労働運動であるからにはこれに対して警察は絶対に干渉抑制あるべからずという基本的方針を堅持して今日まで参つております。又今後もそうなくてはならんと思います。ただ我々といたしましてこの労働運動とか労働争議をやる場合におきまして、ややもいたしますれば実際に運動をやつておられる方々の中に、或いは群衆心理に駆られ、或いはその時のその場の空気でややもすれば不法越規の行為に出る場合が往々にしてあるのであります。
