最初は赤の国だ、なぞの国だというので、いろいろな宣伝が将校の間から行われて、どんなものが来ても読んじやいかないといつて、これを禁止するとか、あるいは新聞が配付されても、これをタバコの巻紙に破つて配るというようなぐあいで、最初は全然読ませなかつたのです。また私たちもそれを読もうとは思いませんでしたが、捕虜になりましてから活字というものをほとんど見ないので、ぜひ読みたいといつて、将校にこれを要求して、われわれの方に配つてもらつて、それから各自に配付するというような状態だつた。今まで日本が負けたとか勝つたとかという問題については、全然知らされていなかつたし、われわれ捕虜になつた当時も、今度は停戰であつて、われわれは捕虜でないので、しばらく
