賠償交渉の経緯におきましては、先方がぜひ現金をほしいといった事実はあるのであります。その後、日本側におきましては、サンフランシスコ条約の原則によりまして、いわゆる現金賠償はできないということを強くそれに対して主張いたしました結果、ただいま提案いたしておりますような形のものができたのでありまして、フィリピン側がこの中の得る品物ないし役務を自分の国において現金にかえましてどのように使うかということは、もっぱらフィリピン側の自由でありまして、日本側はそこまではもちろん干渉しないのであります。従って、ただいま御指摘になりましたような、たとえば戦災孤児だとか寡婦等にフィリピン側が賠償から究極において得ましたペソ貨の現金を分けるということもある
