実質から申せば、十六条によって在タイ日本財産を国際赤十字に渡す、あるいはそれにかわるものを渡すということになっておりますから、三国協定で在タイ日本財産全部を処理いたしましても、実態から言えば、日本にとって不利ではないという議論も立ち得ると思うのでありますが、日本としては、しかし少なくとも選択権があったにもかかわらず、その選択権を無視して一方的にきめて、いわば事後通告の形で日本に知らしてきたというやり方については同意できないということは、はっきり言っておるのであります。
実質から申せば、十六条によって在タイ日本財産を国際赤十字に渡す、あるいはそれにかわるものを渡すということになっておりますから、三国協定で在タイ日本財産全部を処理いたしましても、実態から言えば、日本にとって不利ではないという議論も立ち得ると思うのでありますが、日本としては、しかし少なくとも選択権があったにもかかわらず、その選択権を無視して一方的にきめて、いわば事後通告の形で日本に知らしてきたというやり方については同意できないということは、はっきり言っておるのであります。
基本的に申せばそのとおりでございまして、泰緬鉄道について私が十九条を援用いたしましたのは、泰緬鉄道というものを、いわば平和条約発効前にイギリスが戦利品としてこれを取ったということであるならば、これは十九条で日本はこれについての権利をすべて放棄しているということを申したわけであります。なお、泰緬鉄道以外の在タイ財産につきましても、講和発行前にもし何らかの措置を連合国がとっていたといたしますならば、これはやはり十九条で日本は請求権を放棄しているわけであります。ただいま問題になっております三国協定というのは、講和発効後一九五三年の七月にできた協定であります。したがって、十九条ではカバーされない、平和条約発効後にとった措置であれば、これは平
在タイ日本財産の真相あるいはその金額、現状がどうなっているかということは、再三タイ側に照会いたしますが、はっきりした実は返事がなかったのでございます。それはタイ特別円という問題が未解決でありましたために、日タイ関係が思わしくなくて、したがって、この間の真相を確かしる方法が実はなかったのであります。今後これをさらに確かめてみないと、ほんとうの、どういう処置をとったのか、数字的にどうなっておるのかというようなことは、まだ今のところは詳細にわかっていないのであります。
イギリスにつきましても照会したのでありますが、イギリスは、自分らは三国協定ですべて片づいておると考えておる、それ以外に在タイ日本財産がどうなっておるかということはタイの問題であるから、タイに聞いてくれ、自分のほうからはタイの問題については言うことはできないという、これまた返事を拒否しております。
これは実は日ソ共同宣言の第六項に、今の平和条約の第十九条と似たような規定があるのでありまして、戦争の結果として生じた日ソ双方間の請求権はお互いに放棄するという規定がございます。したがって、それの解釈といたしまして、満州におけるたとえば日本の財産、満鉄等を含めまして、そういうものをロシアが戦争中あるいは戦後にこれを持っていったという場合、一応ロシアのものになったという場合を想定いたしますと、この第六項によって日本はそれについての請求権を放棄しておると解釈せざるを得ないのじゃないかと思います。そうしますと、ロシアが正当の所有者になるわけでありますから、その正当の所有者から中国等が受け継ぎますれば、これまた正当な所有者ということになる。日
米英との関係では、サンフランシスコ平和条約第十九条におきまして同じような規定があるわけであります。
サンフランシスコ平和条約には直接このガリオア・エロアの問題に関する規定はございません。したがいまして、お尋ねの御趣旨が、何かサンフランシスコ平和条約あるいはその他の条約に根拠があって支払うのかということのようでございまするので、そういう意味での条約上の根拠はない。それじゃ全然何らの根拠なしに支払うのかと申すと、やはりそうではなくて、終戦直後に日本が懇請して、向こうのスキャッピンによって、「支払いの条件、計算は後日きめる」という条件のもとで品物を受け取っておる、ここからやはりすべてそのもとが発生しておる、かように考えるのでございます。根拠を求めればそこから出てきておると、かように考えます。
これはガリオア・エロア等の経済援助をアメリカから受け取ったわけでございますが、その当時、アメリカの国会でのいろいろ政府当局の証言等によりますと、これは日本にとっては結局は債務になるであろう、しかし、その支払いは平和条約でおそらくきめられることになるであろうというような証言をしておる例があるのでございまして、一応その当時は、あるいは平和条約でこの問題が頭を出すのじゃないかということも考えられたわけでありますが、現実の問題としては、サンフランシスコの平和条約では直接この問題に関する規定が置かれなかったわけでございまして、幾らかでもこれに関連あります規定としては、先ほど御指摘になりました十四条(b)項で、占領から生じた直接の軍事費、これに
この阿波丸請求権放棄のこの協定は、これは国会両院で同趣旨の決議がございまして、阿波丸の請求権は放棄するのが適当である、したがって、政府はその趣旨でアメリカと交渉し、その結果を国会に報告せよという御趣旨の決議が両院でそれぞれございました。その決議に基づきまして、政府がこの協定を取り結びまして、そうしてその決議のとおりこれを国会に御報告したのでございます。したがって、憲法七十三条第三号に言う、国会の事前または事後の承認を得るという手続は経ていないのでございまして、国会にそのあとで御報告したということになっております。
国会の両院で同趣旨の決議が行なわれましても、これは決議以上のものにはなり得ないということは、私どもも同じに考えております。しかしながら、国会の御意思がどういうことであるかということは、その同文の、同趣旨の御決議があったということで、実ははっきりしておると、これもまたそう考えておるのでありまして、したがって、阿波丸の請求権——これは要するに請求権でございまして、まだ確定した債権とまではなっていないわけでございますが、アメリカと交渉してその金額等がきまれば、ここに確定した債権が生ずるわけでありますが、その債権の生ずるいわば元になる請求権というものをこの際放棄せよと、そしてそういう協定をアメリカと結べということであったわけであります。した
十四条(a)項に、要するに、賠償を完全にするとすれば、「その他の債務を履行するためには十分でないということが承認される。」ということが書いてあるわけでございますが、ここに書いてある要するに「他の債務」というのが何を具体的にさすかということでございますが、この中にはガリオア・エロア等も、オブリゲーションという言葉でございますので、入るとも読めるのでございますが、一番端的にこれに入りますものは、たとえば戦前からの外債というようなもの、これははっきりこれに入ると思うわけでございます。しかし、ここは要するに、賠償というものが全額を払い得ないんだ、日本が経済を存続させ、国民の生活を維持させ、しかもその戦前の外債、その他あるいは戦後の債務等も払
ここは、要するに、抽象的に、この賠償も払い、それ以外の債務も全部払うということにすると、しかも、そういうことをするというのには日本の資源は十分でない、こういうことを言っているのでございまして、こういうことを言っておることからいたしまして、賠償も全部払えない。それと同時に、賠償は全部払えないけれども、それじゃそれ以外の「他の債務」は全部払えるのかということまでは、実は書いていない。賠償は払えないし、同時に「他の債務」も払えないということになるかもしれません。あるいは賠償は払えないかもしれないけれども、「他の債務」は全部払えるということになるかもしれません。いずれにしろ、賠償以外の「他の債務」ということは、一体何であるか、この「他の債務
その第十四条(a)項は、これは賠償の規定でございまして、したがって、ここでは賠償を全部取り立てるわけにはいかないんだということが書いてあるのでございまして、ここから、ここに書いてあるいわゆる「他の債務」の中にガリオア・エロアが入るか入らないかということ、これは直接にはここから出てこない。要するに、賠償及び賠償以外の債務、そういうものを履行するには十分ではないということだけが書いてあるわけでございます。
ここに、十四条(a)項の「他の債務」に何が入るかということは、先ほど申し上げましたように、ここは賠償の規定でございますので、この「他の債務」が何であるかということは、特にはっきり突き詰めて交渉したわけではないのでございまして、ここでは、要するに、賠償を完全に払うことは不可能であるという意味でこの十四条の(a)項が書いてある、こういうことで調印したのでございますが、しかし、はっきり債務としてわかっておりますもの、つまり戦前の外債でありますとか、あるいはこの平和条約自体に債務として上がってきているものがあります。たとえば、戦前債務は払うとか、あるいは連合国財産は返還するとか、いろいろの平和条約自体にも各条項に日本の債務が規定してあるので
ガリオア・エロアはいわば救済物資でありまして、日本の国民の生活を維持し、あるいは日本の生産力を増大するいわば渕源として物資を日本に供給するということでございますので、この十四条(b)項に書いてある「占領の直接軍事費」、こういうものには入っていない、これには含まれていないというふうに解釈いたしております。したがって、先ほど申しましたが、ガリオア・エロアは、直接この十四条(b)項には触れていないと、かように考えます。
積極的に、ガリオア・エロアを支払うべしとか、支払いに関する規定が平和条約にないというのは御指摘のとおりでございます。しかし、同時に、十四条(b)項で、たとえば占領の直接軍事費を放棄するということを連合国ははっきり言っておるわけでございますが、そういう意味では、ガリオア・エロアの請求権についてもこれを放棄するということを書いていないことは、要するに、そういう請求権は放棄していないという解釈が一方に生ずるのでございます。そういう意味でも、直接的な規定はございませんけれども、これに触れていないということから、要するに、ガリオア・エロアの問題は依然として残されたままになっておるということが言えるわけでございます。
現在、これはロンドンで御承知のように交渉しておるわけでございますが、いろいろ複雑な条約でございますので、時間がかかる。その関係上、あるいは東京に移したほうが進捗が早いのじゃないかという論もあるわけでございます。まだ別にそうきまっておりません。現在のところは、従来どおりロンドンで交渉していこうということで進んでおります。
ガリオアにつきましては、当初から例の一九四六年のスキャッピン一八四四号、あれについてその支払の条件、計算は後日きめるというのをもらって、それをもらいながら、一方で物を受け取っていたわけでありますから、木内委員の御指摘のように、そこに法律関係が生じた、受け取ったそのときから生じておるということは間違いないわけでございます。これがしかし憲法にいうところのいわゆる確定した債務ではまだないというような事情から、「債務と心得る」という表現を一貫して使っていたわけでございます。したがって、この場合政府自体の態度があいまいであったのじゃないかという御批判が一部にあるわけでございまして、これは結局、思いますのに、「債務と心得る」ということを公に申し
「債務と心得る」ということを国会で昭和二十五年ごろから政府当局が言っておるわけでございますが、やはり公の席上である国会で「債務と心得る」ということを政府の責任ある当局が言っておりますことは、一方的な見解の表明ではございますが、やはり一つの国際的な要素にはなると思います。したがって、この講和発効までの間何にも日米間では協定も取りきめもできていなかった、阿波丸の了解事項もこれはいわば了解事項にすぎなかったということで、協定とか契約というようなものはなかったわけでございますが、しかし、日本の責任当局が「債務と心得る」ということを表明してこられたということは、やはり一つの要素として、それだけの価値といいますか、重要性、重さを持つということは
その点、木内委員の御指摘のとおりと考えております。やはり一種の法律関係、一種の関係というものは、つまり「債務と心得る」という表現をもって表わされる内容それ自体は、要するにスキャッピンに基づいて品物を受け取ったということから出てきておるわけでございまして、政府の責任者がこれを国会等で「債務と心得る」ということを表明いたしたことは、それを外部に政府もそう考えているんだということをはっきりさしたということでございまして、別にそれによって実質が加わったということはないと思います。初めからそういう事実があったということだろうと思います。