この問題はただいま厚生大臣もおっしゃられたように、私は野党が政府を追及するというような考え方で質問しているのではないのです。人道的に非常に重大な問題と思うのです。しかもこれは天災ではなくて人災によって生じている、そういう問題だと思います。 そこで具体的に少し質問を進めていきたいと思うのですが、厚生大臣はケルシーという名前の人を御存じですか。
この問題はただいま厚生大臣もおっしゃられたように、私は野党が政府を追及するというような考え方で質問しているのではないのです。人道的に非常に重大な問題と思うのです。しかもこれは天災ではなくて人災によって生じている、そういう問題だと思います。 そこで具体的に少し質問を進めていきたいと思うのですが、厚生大臣はケルシーという名前の人を御存じですか。
このケルシーという人は、アメリカの薬務関係の役人であります。このケルシーという人は、年数でいいますと昭和三十五年の九月、アメリカの食品薬剤管理局に対してW・S・メレル社がサリドマイド剤の販売許可を申請したわけであります。そのときの管理局のケルシー女吏は、安全性が確認できない、こういう形で再三にわたってその申請を差し戻しておりました。アメリカではサリドマイド剤は売られなかったわけです。その功績によってケルシーさんは表彰されております。それは昭和三十五年のことでございます。その後にも日本ではサリドマイド剤が売られ続けておった。厚生省は何らの措置をしていない。人道主義的な大臣としてとおっしゃって、このケルシーという人の名前さえ知らないとい
そういう事実があったにもかかわらず、そういうことに深く考慮を払わずに、こういうまことに不幸な事態を引き起こす薬が日本では売られ続けておったわけです。この問題について西ドイツのレンツ博士が非常に大きく取り上げて告発をしたということは、厚生大臣、お聞きになっていると思います。そのレンツ博士のキャンペーンによって、西ドイツでは昭和三十六年の十一月にサリドマイド剤の販売が停止をされているわけであります。そういう情報が日本の会社にもたらされたのは、何年の何月何日か御存じですか。厚生大臣が御存じなければ事務当局から……。
その情報がグリューネンタール社から日本の大日本製薬会社に知らされてきているということは、いま薬務局長の答えたとおりであります。それを受けまして、十二月六日に厚生省と大日本製薬が打ち合わせをしたという事実がございますけれども、その打ち合わせにおいて何を相談したのですか。ここで打ち合わせの内容を知らしていただきたいと思います。
これはすべてではないはずです。十二月の六日に打ち合わせした結果を私たちが承知しているところによると、レンツ報告でいろいろな議論があるけれども、すぐに回収するというような医薬品、これを排除して社会不安を起こすと困るから、そのままにしておこうということを相談したのじゃないですか。
ほんとうにそういう事実がないですか。断言できますか、もしあとで事実があったということがわかったら、あしたから裁判も行なわれるのですよ、重大な食言をしたことになりますが、よろしいですか。
ずいぶん歯切れが悪いのですけれども、そこで相談した結果は、いま半ば事実を認められましたけれども、販売を直ちに中止することはしないということを申し合わせているはずです。そういたしますと、政府も製薬会社と相談をして、すでにアメリカでは、これは危険だからといって、その薬品は売らせないということを政府当局が防波堤になってやっておった、西ドイツでは、レンツ博士の告発以来、そういう問題がどんどん出てきて、すでに十一月の二十六日にそういう薬品の販売停止の措置がとられておるという事実もあるにかかわらず、売らせ続けるということに対して、厚生省は片棒をかついでおったという事実がここに確認できるわけです。そういうふうに確認してよろしいですね。
危険性があるかないかわからぬから慎重な態度をとって発売をさせない、慎重ということばはそういうときに使うんですよ。すでに問題が起きておって、ヨーロッパでは発売をとめている。問題があちらこちらで報道されているときに、現に売られている薬をすぐそれではとめる、回収をさせろ、そしてそれがほんとうに害があるかないかということを調べるというのが慎重なんであって、事件が起きているのにその薬の発売中止をさせない、続けて売らせ続けるというようなことが何が慎重なんですか。全くこれは職務怠慢です。人間の罪をそういう罪のない子供たちに負わせることについて、政府は責任があるんじゃないですか。厚生大臣、このことについてお答えください。
厚生大臣、うしろ向きの慎重さであったということを認めるという形でやや反省をされているらしいようでございますけれども、何度も言いますけれども、わからぬものじゃなくて、すでに事が起きておったんですよ。しかもこの薬は日本でつくったものではなくて、西ドイツから輸入をしてきた薬なんです。そうなんですね。それについてすでにその発売元並びに日本よりも先にそれによる睡眠薬が発売されているところで、この睡眠薬を妊娠の初期に飲むと耳のない子供が生まれる、あるいは妊娠の中期に飲むと手のない子供が生まれるとか、あるいは内臓に欠陥のある子供が生まれるとか、悲惨な実例が一ぱい起きておったんです。そのときに直ちにとめるべきじゃないですか。それをとめずにほっておい
そういう無責任な人が薬務局長なんかをしているからこういう薬品公害が起こるんですよ。自分の肉親に、こういうことを口にするのはたいへん気の毒ですけれども、アザラシ状の子供が生まれたということを考えてごらんなさい。 それでは先に質問を進めますけれども、先ほど薬務局長は直ちに動物実験をやる、そういう事実について調査をするということをきめた、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、厚生省から調査官がヨーロッパへ出かけたのはいつですか。
西ドイツのグリューネンタール社からレンツ博士の情報が日本に来たのが、昭和三十六年の十二月三日です。それが昭和三十六年の十二月の六日に厚生省と大日本製薬が打ち合わせをしている。慎重な態度をとるということを言った。そして先ほどあなたはここで調査をすぐやるということを相談をしたと言っておりました。調査に行ったのは、いまあなたがおっしゃったように昭和三十八年の五月です。一年六カ月たっているのです。厚生省ではすぐに調査を始めるということは、一年六カ月、間をおいてから、ゆるりと出かけることを意味しているのですか。
それは知っておりますよ。しかし、その当時のことは発表されておりますように、三十七年の一月十二日に行っておりますけれども、レンツ報告は科学的な実証に基づくものではないんだ、販売停止というのは、たいへんセンセーショナルな新聞やマスコミの関係でそういうことになっているので、関係ないという結論を出したのが大日本製薬じゃないですか。いま薬務局長は、大日本製薬が翌年の一月に調査に行っているから厚生省はゆっくり行ったというなら、その三十七年の一月の段階においては、大日本製薬の調査員が行って帰ってきた、そういう報告を厚生省としてもそっくりそのまま調査をせずにお認めになったわけですね。お伺いしたいと思います。
ここではなかなか言質をとられまいと思ってやっておりますけれども、厚生大臣、いまのやりとりでおわかりのように、全く当時の厚生省の状態というものは、いまのやりとりでも判断されるように、この問題については業者サイドにべったりで、薬を売らせることに対しては非常に寛大な措置をとっておって、そういう不幸な事態が起こるということについては、何らの責任感を感じていなかった、こういうふうに私は認めざるを得ないと思うのです。そのために死産した人も含めまして、たくさんの不幸な子供が生まれている。裁判では因果関係を争うといっているけれども、サリドマイド剤の発売が中止になってからほとんどサリドマイド剤に基因すると考えられておる症状のお子さんは生まれていない。
抽象的にお伺いしたのでなかなかお答えにくかろうと思うのですけれども、昭和四十三年の五月七日、第五十八国会の参議院の社会労働委員会で、委員からの質問に答えまして園田厚生大臣が答えております。やはりサリドマイドに関する質疑の最後に、これは議事録に載っておるのですけれども、こういうことを園田厚生大臣は言っております。「答弁は要求されませんでしたが、あらためて申し上げておきます。国の責任でもありまするが、同時に、先ほど申し上げましたとおりに、両親並びに」これはサリドマイド児の両親ですよ。「両親並びに本人に対する謝罪の意味においても、早急に確実に予算的措置をしてこれの解決に尽くすことを申し上げておきます。」佐藤内閣の閣僚である園田厚生大臣がこ
ありたいでは困るんですね。四十三年のことでございます。そして「謝罪の意味においても、早急に確実に予算的措置をしてこれの解決に尽くすことを申し上げておきます。」こういうふうに言っておるわけです。その予算措置というのはどういうのをとられましたか。もし厚生大臣おわかりでなければ、大蔵大臣にこれをお伺いをしたいと思います。
財政的な措置ということになりますと、そういう非常に困難な立場に置かれている人たちに対して救済をするということがあります。もう一つはサリドマイド児、一般にフォコメリー症といわれておりますけれども、たとえば頭脳とか、そういう点については常人と全然変わらない。ところが厚生大臣も御承知と思いますけれども、非常に手が小さくなってしまって全然使えない。そういう人たちに、せめて人並みに近い生活をさせようと思えば、義手が必要だと思います。そういう義手について開発を多少手助けをしたということはございますけれども、政府はそれの開発についてすでにもう終わったという形で、昭和四十五年で特別研究費を打ち切っておるんですね。そうすると、今日の状態において、それ
四十六年度からそういう措置をとりたい。四十六年度はまだこれから始まるわけでありまして、始まっていないわけなんですね。ですから、現状を重点に置いて考えていかなくちゃいけないわけですけれども、子供は年とともに育っていきます。そうなりますと、大きくなったからだに合わせた義手も必要であります。そういうような点について、この不幸な星を背負ったお子さんたちは、生涯を通じてそういう不自由な目を見なくてはいけない、そういう点に政府は今後とも、毎年毎年予算を増大しながら、成長していくにつれてそれにふさわしい義手の供給を約束をする、そういう決意があっていまの答弁をされたのかどうか、お伺いしたいと思います。
予算委員会の時間も限られております。押し問答をしておってもなかなからちがあかぬと思いますけれども、いままでの御答弁によって、内田厚生大臣としては誠意をもって当たりたいというニュアンスのことがあったのですけれども、私は裁判の中身には介入いたしません。これは原告団があくまで争うという形になれば、裁判で争われることでしょう。また、和解をするという形になれば、それは話ができたときに和解ができることであります。しかし、この席上でこの質問をした以上、厚生大臣に確認をしておきたいことがあります。先ほど園田前厚生大臣の気持ちを、そのままでありたいということをおっしゃいました。少なくとも道義的な、政治的な責任というものは痛感をして、この不幸な子供たち
ただいま厚生大臣の決意は、十分政治的責任を感じながらやるというふうに理解をいたしますが、予算の裏づけがなければできません。ここで大蔵大臣にお伺いいたしたいのですけれども、そういう政府の措置について十分な予算措置を講ずるという点に、大蔵大臣としても応ずるだけの用意は持っている、かように理解をしてよろしゅうございますか。
それではただいまの大蔵大臣の御答弁について、政府側も誠意ある措置をとるものと理解をいたしまして、この問題の質問はこれで終わりまして、次に移りたいと思います。 残りも少ないので、通告した質問の中で一点にしぼりたいと思うのです。御承知のように国有農地の売戻し問題につきまして、非常に世論が騒がしくなってまいっております。この点について昨日から本日にかけましてのマスコミの報道等によりますと、政府も何らかの措置をとりたい、こういうことでいろいろ御相談になっているらしいのでありますけれども、いまのこの時点において、どこまでの相談とどういう対策をお考えになっておるか、農林大臣にお伺いをいたしたいと思います。