これは政務次官に、多田会長ですね、いま裁判を受けておられる人ですけれども、この人が見えてそういうことになったというようなことを報道しておるのですが、大臣としては、こういう動きをするということには全然関係ない、二・九通達を変える、そういうふうな意向は全然ないというふうにお聞きしてよろしゅうございますか。
これは政務次官に、多田会長ですね、いま裁判を受けておられる人ですけれども、この人が見えてそういうことになったというようなことを報道しておるのですが、大臣としては、こういう動きをするということには全然関係ない、二・九通達を変える、そういうふうな意向は全然ないというふうにお聞きしてよろしゅうございますか。
ただ、その二・九通達自体は実情に合わなくなってきているとか、あるいは労働時間を延長するとかいうふうなことを基準局のほうで考えていらっしゃるとすれば、これは私、相当たいへんな問題になると思いますので、そういうお考えがあるのかないのか。ただ、事実上こういう動きが最近起こっているというだけで、基準局の監督行政としてそういう方向を考えているわけではないというふうにお聞きしていいのかどうかですね。その点ひとつ……。
それでは、その点またあとにお聞かせ願うとしまして、もう一点、次の問題でお聞きしておきたいのです。 御承知の北九州市の新日本製鉄八幡製鉄所のガス発生炉工場で発ガン性の高いタール蒸気による職業性肺ガンが集団発生した、会社側が認めている死者だけでも四十二年までに三十三人も出ておる、最近になって同じタール蒸気を出すコークス工場からの定年退職者から二人の肺ガンによる死亡者が出たということで、コークスあるいはガス発生炉等においては非常に大きな問題になっておるわけですが、これについて労働省としては、特に肺ガンの問題ですが、どういうふうな方針で臨んでおられるか、お聞きしたいのです。
このコークス工場の場合ですが、これは立ち入り調査、立ち入り検査など、何かやっていらっしゃるのですか。
その結果はどうなんですか。そしていつといつといつやられたのか、ちょっとお聞きしておきたいのです。
新日鉄八幡製鉄所には洞岡と戸畑と両方にコークス工場がありますが、洞岡だけですか。
「職業環境の発がん物質の量は一般環境に比して著しく高いのが特徴である」ということで、ここに九州大学教授の倉恒匡徳さんの「職業がんの問題点」という論文があります。「産業医学」の昭和四十四年一月号ですが、これを見ますと、全くおそろしいなということを私もしろうとなりに感じるのです。たとえば「一日二十本のシガレット喫煙者は一年間に百七十五γであり、わが国で煤煙による汚染の最もひどい旭川市における年間吸入量は六百γであるに反し、熔融タール取扱い作業に一日二時間従事すると、実に二十三万γにもなる」ということを言っておるわけですが、これはもうまさに全くおそろしいという感じを禁じ得ないわけですが、このコークス工場でいま黄色い煙が一ぱい立っているとい
そんなに前からやっていらっしゃるのだったら、今回このコークス工場で、ガス炉で肺ガンでなくなった人が三十三人もおるということを知って、労働者のグループが定年退職者の中での肺ガン死亡者なんかを調べるようになった。その結果、二人の人がなくなっているということが、これは労働者のグループが心配してさがし出してわかってきたという経過ですね。しかも昭和十三年に入社してコークス工場で働いてきたAさんならAさんが、四十四年の三月に定年退職すると同時に間もなく異常を感じるようになって、四十四年六月に福岡県内の国立病院で肺ガンと判定されて、入院三カ月後に死亡しておる。もう一人は、昭和十五年に入社してコークス工場につとめてきた人ですが、四十年十二月に定年退
その原因は、コークス工場のこの黄色い煙によるものだということは、いま認めていらっしゃるのですか。認めていらっしゃらないのですか。
昭和四十三年十一月二十五日の「福岡医学雑誌」五十九巻十一号の中に「職業性肺がんの疫学的研究」という論文がありますけれども、これは八幡のことを取り上げているわけですが、その中で、しかも八幡病院の関係のお医者さんですが、職業的に多量のタールに曝露された場合発ガンのリスクは明らかに高いものと思われるということを書いていますし、年齢が高いほど、経験年数が長いほど死亡率は高い、こういう指摘もしています。そしてコークス工場で大量のタールが漏れてきて職場をまつ黄色の煙で取り巻く、そういう中で作業をやっているということは、これは現場へ行けばすぐわかるはずなんですが、これはもう常識的に考えるだけできわめて明瞭に、因果関係といいますか、職業的なガンだと
現場のコークス工場の実情ですが、先ほどもちょっと申し上げましたが、これは基準監督署としてはっかんでいらっしゃるわけですか。
現場の現状というのは、先ほど言いました洞岡と戸畑の両コークス工場を合わせますと、コークスの生産量は年間約三百万トン、一交代四十回程度で、十分間に一回の割合でコークスを出している。原料炭装入作業間隔が十分間ですから、そのうちの二分から約五分間生ガスが出てくる。この労働者によると、ガスで皮膚がぴりぴり痛むというようなこともある、発赤することもある、さらに、マスクがわりにやっている二枚のタオルはたちまち黄色に変わってしまう、鼻の中はタールでまつ黒になる、こういうことを訴えています。黄色い蒸気はほとんど常に立ち込めておる。〇・七%から〇・九%のタールを含んでいるというふうにいわれておるわけですが、こういう状態で無煙装入装置、スモッグレスチャ
労働安全衛生規則の百七十二条なり百七十三条なり、これは一般的な企業の順守事項を書いているわけですが、これに違反をしておったら具体的にどういう処置をされるのですか。
それは指示だけですか、あとはどうもできないわけですか。
このいま私の申し上げたようなコークス工場の労働者は、皮膚がひりひり痛むというようなことも訴えている、そして彼ら自身が、自分のからだが肺ガンになるかもしれない、そういう不安を感じて調べざるを得なくなってきて調べて、二人の肺ガンでなくなった人が発見できた、こういう経過になっているわけです。この職場は非常によごれているが、しかし、労働安全衛生規則による指示あるいは是正を要求する、こういうことはやられていないわけですか。
そうすると、百七十二条なり百七十三条なりには、違反するというか、これは「努めなければならない」と書いてあるわけですから、企業に対する順守義務を規定しているわけですから、それにはあまり従ってなくても、これは違反事項として是正命令を出すわけにはいかない。あまりよくない労働条件になっている、現に死者が二人出た、こういう事態だけれども、それに対して積極的なことは何にもできないということでございますか。あるいはそういう意味では全く放置しておったということになるわけでしょうか。この一年間に三回も調べに行ったと言われているが、それでどういう処置をとられるのか。
それでは、いままでは放置しておいた、そういう危険なものじゃないと思っておったということのようですが、しかし、一年に三回も立ち入りしなければいけないほど、やはり問題意識は持っておられたということになるわけであります。それで死者が二人出たということが明らかになった今日、コークス工場について正式に立ち入り調査をするというふうなことをやられるかどうか。これは全国的にも影響する問題ですから、その立ち入り調査にはぜひ私たちも一緒に立ち会って実態を見たいと思うのですが、そういう計画ができるかできないか、お聞きしたいんです。
この関係のコークス工場に働いておる人というのは現在約九百人いるわけですが、他に鋼管あるいは八幡化学など、タール蒸気を吸入しながら作業してきた人は退職者を含めると約二千人になるといわれているんですが、全国的にもこのタール関係の問題、ガスなり蒸気なりに曝露されるそういう作業場というのは相当あるはずですが、鉄鋼にしても、あるいはガス関係にしてもそうですが、そういう問題として、しかも日本の場合は、職業ガン以外のガンは外国より非常に少ないわけですが、職業ガンについては、御承知でしょうが、この八幡の問題を契機にして昭和八年にすでに学会報告がされておるわけですね。「原発性肺臓癌の業務上発生に就て」という黒田静博士の論文を私も読んでみたわけですが、
そうしますと、タール蒸気の出る企業あるいは事業所、それは全国でどれくらいあるのですか。
タール蒸気によってのガス発生というのは、どっちにしても潜伏期間といいますか、タールガスに暴露し始めてから実際に発ガンするまでの期間が、十年なりあるいは三十五年なり非常に長いわけですから、それだけに、退職後にガンになっておられるけれどもわからない。現にこの二人の人たちも、労働者が心配して調べに行って初めてわかったということで、労災補償の請求もしていない。だからまさに埋もれているという形になるわけですね、性質上。そういう点で、タール蒸気がよくないということは、これはもうはっきりしているわけですから、発ガン性というとともはっきりしているわけですから、早急に八幡で徹底的に調査するということと、それから全国的にこの問題についての、労働者の命を