国が忌避申し立てをやるというのは、裁判官の独立に対する行政権の不当な介入になる、あるいは本件の福島裁判官に対する忌避が裁判に対する不当な介入になるのではないか。非常に重大な問題を含んでおると思いますので、若干お聞きしたいのですが、わが国の裁判制度始まって以来、国側が裁判官忌避を申し立てたことが前例としてあるかどうか、まず第一点としてお聞きしたい。
国が忌避申し立てをやるというのは、裁判官の独立に対する行政権の不当な介入になる、あるいは本件の福島裁判官に対する忌避が裁判に対する不当な介入になるのではないか。非常に重大な問題を含んでおると思いますので、若干お聞きしたいのですが、わが国の裁判制度始まって以来、国側が裁判官忌避を申し立てたことが前例としてあるかどうか、まず第一点としてお聞きしたい。
その点についてはあとでお伺いしますが、わが国の裁判の例では国側が忌避した前例はない。外国で国が国の司法機関である裁判官の忌避をやったというような例がいままであったかどうか、法務省としては知っておられるかどうか、この点いかがでございましょう。
外国の例も、日本のような法構造で裁判官忌避をやったことは、私も寡聞にして知らない。法務省もおそらくいま言われたように御存じないと思うのですが、いわば古今東西を通じてこういうことがあったという前例がないといっても過言でないようなケースなんですが、この国側の忌避申し立てをすべきことを決定されたのはどの国家機関で決定されたのかをお伺いいたしたいと思います。
いわゆる長沼ナイキ基地訴訟事件の当事者というのは国なのか、国ではなくて農林大臣という行政庁なのか、どっちですか。
農林大臣の名前で訴訟が出されているんではなくて、地元の人ですね、結局国民の側からこの長沼町の国有保安林指定解除の告示という行政処分をやった農林大臣、すなわち行政庁を相手に起こしておる裁判です。だからこの裁判の当事者は農林大臣と原告である国民である、当事者はこういうことになると思うのですが、その点はいかがでありましょうか。
忌避申し立てをやる申し立て権者というのは訴訟当事者だけですね。その点はいかがですか。
国が訴訟当事者になっておる事件の件数、それから行政官庁が当事者になっておる事件の件数、言いかえれば法務省から指定代理人を出している事件数は現在どれくらいございますか。
行政官庁が当事者になっておる事件で法務大臣が指揮権をいままで発動した例がありますか。訴訟一般についてです、
私の聞いているのはそういうことではなくて、本件の忌避申し立てをやるべきことを決定したのは法務大臣だとおっしゃった、だから法務大臣が指揮権を発動したんだ、こうおっしゃっているわけです。先ほど言われたのはそうではないのですか。
同僚横路委員がお聞きしたときには、はっきりいうと法務大臣が独断専行した、法務大臣が指揮権発動を決定したというふうに答えられたのじゃないですか。いまは何か了承を与えたとか何か妙なことをおっしゃったわけですけれども、趣旨を変えられるわけですか。
最終決定は、本件忌避の指揮権発動については、法務大臣がじきじきによろしいと言う。要するにそのことによって法務大臣の意思としてやられておる、こういうことなんだ。現に係属ているだけで六千件もあるそういう国もしくは国の機関としての行政庁が当事者になっておる事件で、訟務検事がいろいろ相談しながら指定代理人として行動する、これはあたりまえのことなので、法務大臣がそういう指揮権を発動した例はいままであったかどうか、このことをお聞きしているわけです。
法務大臣に訴訟遂行についてこうしたい、よろしいとわざわざそういう最終的な結論を仰いで、訴訟活動を指定代理人である検事なり、あるいは主務官庁の職員が指定代理人になっている場合あるいは行政官庁に対して、そういう形で指揮をしたことがいままで例があったかなかったかということをお聞きしているわけです。積極的にとか消極的にとかいうことを聞いているわけじゃない。事柄の性質は、法務大臣に指揮権があるわけでしょう。法律の規定からいえばそうなっている。その法務大臣としての指揮権を法務大臣の意思でやったことが本件以外にあったかなかったかということをお聞きしているわけです。消極的とか積極的とかそんな指揮はないですから。その点はどうですか。
だから事柄の軽重に従って扱いが違う。本件の場合はわざわざ大臣の了解を得ている。だから非常に重要なものとしてやった。従来そういう例があるか、こうお聞きしているんですから、従来ないならないと答えてください。
上告するかいなかという問題については、まさに訴訟行為——指定代理人としての、あるいは行政官庁としての行為について判断をするわけですけれども、忌避申し立てを、行政権力を持っている法務大臣の名で指揮権が発動されるということになると、これは訴訟当事者の意思じゃなくて、訴訟当事者は大臣の了承を得た、法律の規定でいえば、法務大臣の指揮によって農林省は忌避をした、こういうことになるわけですね、今後のケースでいえば。そうではないですか。
いま私どもとおっしゃったんですが、私どもといわれるのは法務省の立場なんで、訴訟当事者は——法務省は訴訟当事者ではないわけでしょう。法務省は代理人でもないです。法務大臣は指定代理人を任命できるだけで、だから指定代理人は、いまの場合は主務官庁である、訴訟当事者である農林省ですね。農林大臣の訴訟行為に代理人として行動を起こすわけで、忌避を起こしたのは代理人としての忌避ではなくて、行政官庁である農林大臣が忌避をした、こういう行動になっているんじゃないですか。
法務大臣の意思が訴訟当事者である行政官庁に貫徹していくのは、訴訟当事者である行政官庁が「法務大臣の指揮を受けるものとする」という規定が法律にあるからだ。だからその法律の規定に従って、指揮権に基づいて指揮を受けるものとしての行政官庁が、法務大臣のその決定に従って、いわゆる独断専行に従って、当事者としての農林大臣は行動した、こういう行動になることは明白だと思うのですが、違うとおっしゃるのですか。
そうすると、法務大臣が忌避をしたことになるんですか。法務大臣は事件の当事者ではないわけですから、法務大臣は忌避をしたんじゃないでしょう。そこはどうなんですか。
民事訴訟にしろ刑事訴訟にしろそうですが、当事者は忌避権を持っている。しかし裁判官は御承知のように、これは憲法の基本的な原則として独立をしている。良心に従い、憲法と法律にのみ従う。行政官庁からの介入や、要するに行政権力からの介入、支配は一切受けないというのは、これは憲法上の大原則ですから、忌避ができるというのは、それは当事者として——その当事者は裁判長の訴訟指揮に従うその範囲内における当事者だから、裁判を公平に受ける、そういう立場から忌避申し立てばできる。当事者でない法務大臣が、独断専行したといわれるその法務大臣がよろしいということでやったわけで、法務大臣がよろしくないと言われたらやりはせぬわけですから、法務大臣によろしいかということ
私の申し上げたいのは、要するに、訴訟当事者として、国も訴訟当事者であるから、だから忌避の権限がある、忌避をすることができるんだということを非常に強調されていますけれども、指定代理人を任命するのは、これは法務大臣です。しかし任命された指定代理人は、指定代理人として法廷内における行動をする権限を持っているわけです。その行為に対して今度は外部から——任命権者であるところから、この場合わざわざ指揮権が発動され——上訴の場合だったら訴訟の進行についてだからそれは問題にならぬですけれども、事は裁判官の不信任を問うという問題になっている。しかも裁判官の不信任を問うという問題になれば、裁判官の独立と行政権との関係からいえば非常に重要な問題が起こって
事実問題はそういう経過だろうと思うのですけれども、裁判の独立という問題から考えた場合には、これは非常に重大な問題ですから、日本の裁判史上の例のないことなんだし、同時に世界でもそういうことが例のないことなんで、それだけに私は事柄の性質をはっきりさせておかなければいけない。これは、指揮権ということばがどうなっておるか知らぬけれどもとおっしゃったけれども、これは法務大臣の補助者に法務大臣がよろしいという、それは事実行為としては非常に簡単かもしれませんけれども、法務大臣の補助者が法務大臣のいわば決裁を仰いできておるわけですから、補助者がいろいろきめることは法務大臣がきめておることになるわけなんでしょう。そういう点でいえば、法務大臣という行政