遺憾ながら、現存の国際法のもとにおきまして核兵器の使用がすべて国際法に違反するということが確立されている状態ではないと考えております。
遺憾ながら、現存の国際法のもとにおきまして核兵器の使用がすべて国際法に違反するということが確立されている状態ではないと考えております。
現在の一般国際法のもとにおきまして、核兵器の使用は違法であるということは言えないと思いますのは先ほど申しましたとおりでございます。ただ、政府といたしましては、核兵器の全面的な禁止、廃止ということが国際社会の究極の目標であるべきであるというふうに考えておりまして、そういう実定法が国際法の社会において実現するように、できるだけの努力を日本のみならず世界の各国がしていくべきであるというふうに考えているわけでございます。
先ほど申しましたように、全面的な核軍縮が望ましい、究極的には核兵器の全廃が私どもの努力の究極の目標であるべきだと考えているわけでございますけれども、現実の国際社会の状況というものを見ますときに、法律的に現在違法であるという断定はできないわけでございますので、ただ抽象的に核兵器の使用は違法であるという主張を繰り返すのでは、私どもといたしましては、現実的な努力が実を結ばないということだろうと思います。それよりは一歩一歩軍縮を重ね、核軍縮それからさらに核兵器の全廃という方向に漸進的に進んでいくべきであろうというふうに考えているわけでございます。
ただいま国連決議という御質問がございましたが、一般的には国連決議は勧告的性格を持つものであって、強制的な拘束力は持たないとされております。 通常の場合において想定いたしますと、御質問のような趣旨の国連決議が採択された、成立したという場合に、それに応ずるか否かというのは各加盟国の問題であろうかと思います。わが国につきましては、憲法という制約がございますから、その制約のもとにおいて行動することになるというのが当然のことであろうと考えます。
憲法に違反する条約は締結し得ないと考えております。
ただいま、恐らく国連憲章第七章に基づく安保理事会のいわゆる強制行動についてのお尋ねだと考えますけれども、国連憲章のもとにおきましては、安保理事会の決定に従って各加盟国が強制行動をとらなければならない場合には、特別の協定が締結され、それに従って兵力提供その他の協力が行われるというたてまえになっております。したがいまして、その協定が結ばれなくて、自動的に安保理で決議が採択されたから、直ちにそれに協力しなければならないという事態は出てこないものと考えております。
一般国際法上の概念として有事という概念は存在していないと考えております。したがいまして、有事というのはいかなる状態を意味するかというのは、その特定の状態についてその国等がどういう認識を持つかということであろうかと考えます。
いわゆる戦時国際法なるものは、従来戦争というものが合法化されていたときに集大成されてでき上がりました一連の国際法典のことを言うわけでございますが、現在は国連憲章のもとにおきまして戦争というものはすべて合法化されてない、違法なものとされているわけでございます。でございますから、戦闘状態というものが発生いたしますのは、国連憲章のもとにおきましては不法な侵略、違法な侵略が行われたときにその状態に対処して行動がとられる、そのときに発生するという問題だろうと思います。そういう状態のときに、いわゆる戦時法規の関係諸規定が適用されるか否かということになりますと、それは現在の時点におきましても適用されるものであるというふうに考えております。
ある状態が発生いたしまして、仮に米軍が日本の施設、区域を使用して戦闘作戦行動に出るという状態を想定いたしますと、その場合の米軍の行動というのは違法な侵略に対処してとられる行動に限定されるわけでございます。したがいまして、その際それに対する、すなわち米軍に対する戦闘的な行動あるいはその施設、区域を提供しております日本に対する、基地に対する攻撃という形で行われます行動、これはまさしく侵略の拡大という形になってくるわけでございます。
敵性であるとか敵対国家であるとかいうことは、私は、法律的に熟した概念ではないだろうと思います。むしろ政治的に使用される言葉だろうと思いますが、アメリカと協力関係にある、そのアメリカと敵対的な関係にある国がアメリカとの協力関係にある日本について自分の利益に反対する、あるいは対抗する国であると観念することはあり得るだろうと思います。
ただいまお読み上げになりましたのは、いわゆる戦時法規がある戦争状態、戦闘状態に対して適用されるときの関係が響いてあるわけでございまして、それはまさしくそのとおりだと思います。ただ、その場合に日本の施設、区域を使用して行われますアメリカの行動というものはどういうものかというと、それには非常に大きな限定、制約があるということを、先ほど申し上げたわけでございます。
いま朝鮮半島において武力攻撃が発生し、それに対処するためにアメリカが日本の施設、区域を戦闘作戦行動のための基地として使用するという状態を御設定になられたわけでございますが、そういう場合に、もちろんこれは安保条約のもとにおきまして事前協議にかかるわけでございますから、一応仮定の問題としては、事前協議が行われて日本がイエスと言った場合というふうに想定いたしたいと思います。この場合に、先ほど私が申し上げましたごとく、アメリカの行動というのは、国連憲章のもとにおいて合法化される行動に限定されるわけでございます。すなわち、それは侵略が発生して、その侵略を排除するための自衛権の発動としての行動に限定されるわけでございます。したがって、その自衛権
先ほど仮定を想定されていたわけでございますが、政府が従来から国会におきましてはっきりと申し上げておりますのは、事前協議が行われた場合にイエスと言うのは、日本の安全にかかわる場合においてイエスと言うということを申し上げているわけでございます。でございますから、いまの設例について申し上げますと、その場合は日本の安全が直接脅かされている状態だろうと思います。そこで、施設、区域が使用されて戦闘作戦行動の基地となっているという状態が発生いたします場合は、先ほど私が申しましたように、侵略を排除するための行動でございますから、その基地をたたくということは侵略の拡大になる、したがって、法律的に考えます限り、そういう基地をたたくという先方の行動という
第五条にあります「憲法上の手続規定に従って」という表現は、この種の安全保障条約にいわば慣用的に使用されております規定でございますけれども、わが国について見ますると、これはもちろんのこと、憲法の枠内において締結される条約でございますから、憲法上の規定に従ってわが国の義務を履行するということは当然のことだろうと思います。ここで書いております「憲法上の手続」というのは、日本の憲法に照らしてみますると、手続に関する規定というのが特には設けられておりませんから、日本について言いますと、主として「憲法上の規定」ということが念頭に置かれているというふうに考えるべきであろうと思います。アメリカについて申しますると、これは米国の憲法上の手続が定められ
アメリカの問題につきまして、いま御指摘がありましたのは、戦争権限に関するアメリカの法律がございますが、そのもとにおいて、大統領の戦争に関する権限というものが一定の制約のもとに置かれておりますことは私どもも承知しております。しかし、その権限法にもアメリカの条約上の義務を妨げないという規定がたしか設けられていたと思いますし、この第五条の規定は、アメリカの日本を防衛するという義務を条約上定めたものであるということは明白であり、私どもは、そういう解釈をとっておるのみならず、アメリカもその解釈については確認をしているわけでございますので、日本を防衛する義務をアメリカは、法律の規定その他があるからといって免れることはできないというふうに私どもは
私が申し上げましたのは、安保条約第五条の規定でございまして、第六条の方で定めておりまするのは、日本を防衛するという義務を履行するために必要だという前提に立って第六条で施設、区域の使用を認めるということが響いてあるわけでございます。したがって、これはアメリカの側に立って見ますると、施設、区域を使用するということが条約上の義務ではないという点は、まさしく御説のとおりだろうと思います。
この第六条の施設、区域の使用を許されるという規定は、第五条でアメリカが日本の防衛の義務を負っております。それに対して見合う日本側の義務という形で規定されておりますためにこういう形になっていると考えております。日本の防衛に当たるというアメリカの条約上の義務を履行するために、まさしく日本における施設、区域の使用が認められているわけでございますから、仮の問題といたしまして、施設、区域の使用をしなくても全く日本の防衛に支障がないという状態が出てきますれば、そのときには施設、区域の使用というのはなくなるだろうと思います。しかしながら、現在の時点におきましては、日本の防衛に当たるという条約上の義務を履行するためにアメリカの軍隊が日本の施設、区域
先ほど私が申し上げましたのは、第五条に「日本国の施政の下にある領域における」云々ということが書いてあるわけであります。したがって、この規定は、具体的には日本に対する武力攻撃から日本を防衛するということであるわけでございます。それに対する見合いの義務として、第六条で施設、区域の提供あるいは施設、区域の使用を認めるという規定が出てくるわけでございますから、私は、先ほど申し上げました実態を考えるのが、この安保条約の解釈としては当然のことだろうと思います。
一般国際法上の問題としてお答えいたしますと、ある国における外国の国民の私有の財産が国有化その他によって収用されるというような場合に起こります補償問題は、その国の国内法の問題である。第一次的にはその国の国内法によって救済措置がとられるという問題であろうと思います。国内的な救済措置が尽くされた後なお救済されないという場合に、いわゆる外交保護権の対象の問題として政府の間で話し合いが行われることもございます。しかしながら、第一次的にはその国の国内法によって処理されるべき問題であろうと考えております。
戦争状態が終わりまして、それに伴って発生しましたいわゆる請求権の問題については、通常の場合、戦争終結後に締結されます平和条約において処理されるわけでございます。しかしながら、いま御質問がありました今度のベトナムにおける日本国民の財産の問題ということになりますと、ちょっと事態は変わってまいると思います。でございますから、政府といたしましては、南ベトナムの新政権のもとにおいてこれらの財産がどういうふうに処理されるか、それを注視して待つという状態にあるわけでございます。 他方、国際的な債権債務関係でございますが、先ほどお話しがありました政府借款ということになりますと、これは一般国際法上の問題として、国が存在する限り、その債権債務という