普通の官庁ですと、決裁印を押した者のところに責任がある。つまり判こというのは、責任があるということを示す。日本の官庁ではそうなっておると思います。そうしますと、三矢研究事件の責任者は統幕事務局長、こういうことですか。
普通の官庁ですと、決裁印を押した者のところに責任がある。つまり判こというのは、責任があるということを示す。日本の官庁ではそうなっておると思います。そうしますと、三矢研究事件の責任者は統幕事務局長、こういうことですか。
防衛庁長官に伺いたいのですが、いまの質疑を通して、三矢研究に関する事務的な手続き上の一応の最終的な決定者としては統幕事務局長というのが出てまいった。その統幕事務局長が統裁官となってやった研究、その中の内容において、私どもの見解では統幕として触れてはならないいわゆる国事事項を取り上げてやった。これが三矢研究の内容だと思うのです。そこで、防衛庁長官としては、一体統幕の事務局長が責任者としてやっておるところで半年もかかってそれが行なわれる、それを防衛庁長官としては半年も知らずしていなくてはならぬという、これが事件の私は経過だと思います。そのことについて、制度としてどこに欠陥があると思われますか、また知らなくてもよかったと思われますか。
長官からもお気持ちを承りましたが、私は、こういう事態の発生したことには原因があると思う。その原因は何かといえば、現在の防衛庁は、内閣総理大臣と防衛庁長官のもとに各自衛隊が直轄をされて、直接の指揮をとるような形になっておる。そうして内局もまた統幕も幕僚監部も防衛庁長官を補佐をする、こういうことになっておる。ところが防衛庁の歴史の過程において、片方幕僚監部と幕僚長は、それぞれ自分の幕に属する自衛隊に対する指揮権限を長官の命によってやることが認められている。統幕議長もまた二幕以上に関する特別の部隊を編成する、その行動をどうするかというような問題については、長官の命を受けて指揮をする、こういうことが現在の法令上認められておるわけです。
昭和三十八年の防衛庁訓令第三十八号、防衛庁における文書の形式に関する訓令というのが出ております。それによって防衛庁は何種類の命令を出しておりますか、お伺いいたしましす。
いまお話がございました一般命令、個別命令、日々命令はだれが出すかというお話がない、それをお答え願いたい。それと、そのほかに、この訓令第三十八号によって達し、指示、指令というような行政行為も行なわれておりますね。これはだれが出すのですかお答え願いたい。
それから達し。
行動命令、一般命令について、これは長官が決裁をしているが、その場合に内局が補佐する、こういう御説明でございます。これら二つの命令については、甲命令と乙命令と二つの区別がございますね。その区別のあるところを言うてください。
官庁業務の場合、起案権を持つか持たないかということは、その命令の内容に非常に重要な影響を及ぼすと私どもは見ております。したがって、甲命令は内局が起案をする、乙命令は各幕で起案をしていわば内局と調整をするのでしょう。その場合に、一体内局が乙命令について訂正をするというようなことがございますか。
行動命令と一般命令と分けまして、陸、海、空それぞれの三幕に分けて、一体防衛庁ができましてから甲命令では何件、乙命令では何件出されたかお答え願いたい。
私の質問申し上げたのは、各幕に分けて、甲と乙と、それから一般命令と行動命令と数えていただきたい。
一般命令はどうですか。
麻生参事官、ぼくの質問に包括的に答えてほしい。こま切れにやらないで、全部言っていただきたいと言っているのです。
防衛局長、あなたいまお聞きのとおり、甲命令というのは、乙命令に比してほとんど出されていない。一般命令のごときは、陸も海も甲命令はゼロである。ところが乙命令のほうは、陸については七百二十一件。海にいたしますと、三百八十一件、こういうことになっている。そうしますと、これは起案者はそれぞれの幕僚監部、幕僚長である。そしてあなたのほうで調整をして、長官が決裁する、こういうのでありますが、実際上あなたのほうはこれでコントロールができますか、そういう状態で。
いま防衛局長が言われましたところが実は問題なんで、あなたは統幕あるいは各幕僚長が何をするかということは、まだ歴史が浅いのではっきりきまっていない。したがって、慣行においてやっておる。防衛課長、防衛局長の経験をもってすれば、内局の調整、コントロールに遺憾はなかった、こういうお話だ。しかし二・二六事件はどうして起こったか御存じですね。小隊長、連隊長が命令を発して、それがわからないから大隊長が命令を発した。それは部下はわからないわけだ。それが一体連隊長命令か師団長命令か、あるいはまた参謀本部命令かわからない。そこでそういうことが起こった。したがって、実力部隊というのは凶器を持っておるのですから、その凶器を持っておることについてはっきりシビ
太平の御代で通常業務だけが行なわれるときは、それは長官、それでいいかもしれません。しかし国民が一番心配しておるのは、先ほど申し上げましたように兵は凶器だ。したがって、これがどんな形で一旦緩急というようなことになるかもしれない。百年兵を養うというのはある一つの重要な時期にどうなるかということでやっておるんだろうと思うのです。そうであれば、あなたはシビリアンの代表者なんだから、一体制服のほうが動いていくその動き方について、絶えず太平の時代にいまのようにあなたに無関係なところで起案をされ、形式上はあなたの決裁になっている。しかし実態上はそうではない形で行なわれていることについて、完全無欠ではないかもしれぬけれども大体いいんだというようなこ
いまは命令で話を進めたのでありますが、たとえば三矢研究、これでそういう形が行なわれていなかったでしょう。そこでぼくはこれを問題にしておる。少し角度を変えましょう。甲命令の場合、内局は起案いたしますが、防衛庁長官はだれに命令しますか。
部隊長あてに命令した場合に、それがそのまま行なわれますか、再び、もう一ぺん命令が部隊長のところで、あるいは幕僚長のところで書かれますか。
いま長官の発する甲命令は直接部隊長に行くということが原則、しかし幕僚長に委任をして、幕僚長経由で行っておる面もある、こういうお話であります。実際はどうなんですか。幕僚長をほとんど経由しておるんじゃございませんか。
いま麻生参事官が小声で申した最後のところが問題です。つまり内局が起案する甲命令といえども、自衛隊法第八条によって、長官の命令は幕僚長を経由してでなければ部隊長に届かないわけです。そこで幕僚長としては、その甲命令を受けて、自分がもう一ぺん乙命令を起案してあなたのところに上げてくるわけです。一言一句変わらないものでも、そうしなければ実際に部隊は動かない、これはお認めになりますか。
長官、いまお聞き及びのとおりで、あなたの命令は行ったり来たりするわけだ。しかも太平の時代には起こらないかもしれませんが、あなたがこうしたいということを考えて、そうして幕僚長に甲命令を出す。ところが幕僚長が待ったをかけた場合には、あなたはどうすることができますか。そんなやつはけしからぬと懲戒免職するということはあるかもしれませんが、いまの命令の形式、いま防衛庁でやっておられる——部隊をあなたは直轄しているというけれども、命令のつくられ方、そうしてそれによって部隊が動くについては、はなはだ強く幕僚長の意思というものが加わってくるわけです。この制度についてあなたはどうお考えになりますか、伺いたい。