総理、この参議院で時の流れがとまったこと知っていますか。 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕
総理、この参議院で時の流れがとまったこと知っていますか。 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕
昭和二十二年の十二月の九日です。この参議院の第一国会、ここで食管法の改正のときに、時の占領軍の国会対策課長がウイリアムズというんで、それがやってきて、きょうじゅうに、衆議院から法案送ってきて、通さなかったら食糧援助してやらぬぞと恫喝されて大騒ぎになった。それで私はいろんな証言を今度求めましたが、そのとき時計をとめた人がいま課長補佐でここにおるんです。山賀辰夫さんという人です。それを指令した人がまだ生きておるんです。藤沢で恐らくきょうテレビを見ておると思う。そのときの親時計がこれなんです。(写真を示す)これが親時計。いま参議院の時計はこの親時計で動いておるんです。昭和十一年一月沖電気一号機というやつなんです。そうして、十一時三十分に待
この中でそのようなことを知っておる人まだあると思いますが、中曽根大臣どうですか。
総理、ここに読売新聞で責任持って出した「国会おもて裏」と、これ読みます。「昭和二十一年十月五日、第九十帝国議会の貴族院本会議で新憲法制定をめぐって議決の段階まできたが、特別委員会で各種修正案が出たため審議は意外と手間どった。GHQは審議促進を求める。やむなく貴族院は午前零時五分前で時計をストップ。法案が本会議へ上るのを待って採決した。そのとき時計を再び動かしたが、本会議場の時計では深夜の午前零時に散会して、外へ出てみると、もう夜はすっかり明けていた」。私、この証言だれかしてくれんかと探したんだ。記録ないんですよ、これ参議院に。すべてどっかへ持ち去られておるんです。 〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 こういうことは国民皆
ところでおったんだ、この閣僚の中におったんだ、証言してくれる人が。敏腕をもって鳴った読売新聞の、現労働大臣藤尾正行先生なんだ。どうかひとつそのときの話をしてやってください。
田中文部大臣、あなた非常に恐縮ですが、幣原内閣で現在の憲法をつくったわけですね。そのときにあなたはこの幣原内閣の総理秘書官をしておられた。非常に苦心をされたということを私は聞くんです。この辺でやっぱり政治家として国民にあのときの真相を知らすということは、私は非常に大事だと思うんです。どうかひとつそのときの苦心のほどをお願いをしたいと思います。
あなたの話の中のことを、これはだれが書いたのか知りませんが、書いておるんですね。「幣原総理は、GHQから戻られるや、秘書官室の机の上に大きなふろしき包みをどかっと置かれて、これを二十四時間以内に日本文に翻訳し直ちに新聞に発表しろと命じられました。すぐ白洲終戦連絡事務局長を呼んで作業させよと申されて、閣議は急いで翻訳会議に変わったのであります。」と、このときの状況はどうですか。大臣、遠慮なしに言うた方がいいですよ。
やっぱり田中龍夫先生の性格ではこういうことずばっとよう言わないんですね。私は無理だと思うんです。(「だから大臣になれた」と呼ぶ者あり)だから大臣になれたというようなやじが飛んでいますが、総理、これは笑い事じゃないんです。この事実はやっぱり国民の前に明らかにせにゃなりません。 そうして、田中大臣、お聞きしますが、いま現役の政治家で当時の貴族院の席を持っているのはあなた一人なんです。本会議で現憲法が上がったときの状況、それをひとつここで披露してください。
あなたね、そこまで言うなら、これ、あなたの文ですよ。そんなこと言うんなら、これを読まなければならぬ。冗談言いなさんな。あなたはね、ここに書いておるじゃないか。「最後の採決の瞬間こそ、あの広い貴族院の議場は、涙と鳴咽に満ちた悲痛な決定でありました。佐々木博士は、たとえ死刑になろうともこの屈辱の憲法には協賛はできないと起立されなかった光景は、いまなお彷佛として眼底に焼きついています。」とあなた自身書いたことじゃないか、これは。これはあなたの文と違うのか。冗談言いなさんな。
閣僚としてじゃないんですよ。歴史の事実として、あなたは日本人として、人間として、歴史の事実をどう後世に伝えるかということなんだ。どうですか。
これね、憲法改正するとかせぬとかという議論じゃないんですよ。歴史的事実をはっきり国民に伝えてくれと言っているんですよ。そんなに大臣というのは自由な自分の意思さえ抑えなければならぬのですか。 内閣総理大臣、そこまで個人の自由の意思まで束縛するのですか。あなた、それだけの力があるんですか。お聞きします。
総理ね、私はお聞きしますがね、人間田中龍夫として、政治家田中龍夫として、国務大臣以前にそうなんですよ。だから、人間田中龍夫として本当の話をいまここでして、あなたが責任をとることにしますか。どうですか。
田中先生ね、私はあなたを尊敬しておるんだ。尊敬しておるあなたがこういうことまで言うということは、かつてなかったことなんです。自由民主党ができたときには、鳩山さんのときも石橋さんのときも、それから岸さんのときまで、ずっと憲法論議は自由にやれた。これが国会なんですよ。憲法にいつも縛られて、野党にびくびくして、そして真実を国民に伝えないというのは、これはどうかしていますよ。真相を知らざるをこれ迷いと言うというんです。真実を伝えないで何が本当のりっぱな力が生まれできますか。 もう一回聞きます。あのときのことは、佐々木惣一先生が涙を流して、そうしておえつをして立たなかった、あの姿をあなたごらんになったんでしょう。
ぼくは、こんなところで先生なんかつけて、要らぬですよ、玉置君でいいんだ。 それはね、田中龍夫先生、おかしいですよ。私は先生と言いますが、おかしいです。それはね、大臣というものはそんなものじゃありません。憲法という問題に対しても、常に政治家は憲法を尊重せにゃいかぬ、これはあたりまえのことですよ。しかし、時には国家の最高意思をつくる、国民合意の上で国家の最高意思をつくるということ、これは大切なことなんだ。それだけに、憲法の上位に立ってお互いが論議をするということが当然じゃないですか。 法制局長官、そういう当然なことがあっていいんじゃないですか。あなた憲法いろいろ勉強しておりますが、どうですか。
そのとおりなんですよ。これが本当なんです。憲法というのは、ここに問題があるんです。いつも憲法の条文に振り回されて、それで国会の機能が停止をしてしまうなんというのは、心ある国民がナンセンスだと思っておるんですよ。今度の参議院の自民党の総括はほとんど憲法をやるんです。これは当然じゃないですか。 もう一回聞きますが、あなたは当然と思わぬですか、どうですか。思わぬというんだったら、われわれあなたを不信任するよ。
そうすると田中先生ね、奥野さんが発言したり中川君が発言したりすることは国務大臣として間違ったことなんですか、どうですか。
もう情けないと言うより仕方がないね、これ。 中川さん、どう思う。
そこで、法制局長官ね、これ非常に大事なことなんで、あなたはこの大変な権威だけれど、実定法と自然法の関係、これについてひとつ説明してください。
であるなら、長官ね、実定法は文字であらわされたものなんで、自然法と違いますね。自然法は変えることはできませんが、実定法は、文字であらわされたものを実定法と、こういうふうに言ってますが、それだけに時の流れによって改正することもできるし、または解釈においても拡張解釈も類推解釈もできると、こういうふうに理解しておって間違いございませんか。
であるならば、第九条に対する解釈、吉田内閣の中でも変わりましたね、朝鮮動乱からずっと変わったと思いますが、それはいかがですか。