戰争によつて莫大な被害を受けて、而も國民生活がかかる窮迫の時代においては、如何なる人が政府に立つても、國民に向つて多大の犠牲を要求せざるを得ないのであります。併しながら國民の全部が必ずしも我々日本人の置かれたる現在の環境を十分に理解しておるものばかりとは言えません。ときには敗戰國たる現實の事實さえもまだ徹底しない、そうして一面には、經濟的窮乏に喘いでおるのでありますから、すべての惡條件は、政府に立つておるものの責任であるという、一應の考えを持つことは世界各國において免がれ得ない。如何なる國においても、かくのごとき環境の下に、政府に立つものが國民の多くの非難の的になる。こういうことは、これは極めて共通の事實であります。日本ばかりが例外
