現在の我が國の立場におきましては、政府がソ連代表と直接交渉をすることは無論認められておりません。又立法府及び政党が責任を以つて引揚問題について他國の官憲と交渉する権限は無論ないものと存じます。併しながら日本國民が如何に熱心にソ連地域からの引揚促進を熱望しておるかということは、全國各地に行われたる引揚関係者の陳情書は恐らく百万を超えておるとおもいますが、これらの情勢を見て、明敏なるソ連の代表者の方々が、日本國民の総意がいずこにあるかということをお分りにならないとは私は信じません。そういう意味において、政府はすることができなかつただけで、若しこれが行動を取る余地があれば無論今日まで全力を挙げてその方に向つておつたに違いない、かように私は
