私どもも、総理の今言われる最もいい方法、最善の道を選ぶということについては、決して異議を言うのではなしに、けっこうなことだと思うのであります。ところが、眺めておりますと、なかなか簡単に総理の今お考えになっているような方向に進まない。相手ば、何と言いましても外交交渉についてはきわめてねばり強いスラブ民族であります。従いましてその民族性も考えて、こちらもやはり腰を落ちつけて折衝に当らなければならぬと思います。従ってまず次善の策を講じておいて、少くともこの人道問題、特に戦犯、抑留邦人の帰還につきましては、総理もやはりこれとは違ったような――もちろん全然比較にはなりませんけれども、敗戦という苦しみは特に痛切に感じられておるはずであります。戦
