この外交上の交渉というものは、世界の世論をある程度背景としなければならぬ。世論を背景として初めてその主張も通り得るという場合が多々あるのであります。外交史上においてその実例がたくさんあるのであります。ところがモスクワへ行って交渉してみたところで、もう日本の世論を世界に訴える余地なんというものは、絶対にあり得ないと考えております。みな一方的の宣伝ばかり。日本ならば交渉の内容——どちらの方が正しいか、それも相当程度これを発表して、そうして世界の世論に訴え、国内の世論にもこれを聞くことができるというようなわけでありますから、こういう点においても非常に私は東京の方が有利であると考えておるのでありますが、どうお考えになりましょうか。
