先生ただいまお話ございましたように、現行の商法は六百九十条の規定によりまして、船舶所有者等が船舶による事故によって損害賠償の責任を負う場合には、船舶及び運送賃等を債権者に委付して賠償責任を免れることができるという、いわゆる委付主義を採用しております。 このように船舶所有者の責任を一定の限度に制限しようとする制度には方法にいろいろございますけれども、世界各国に共通する制度でございまして、わが国の委付主義の制度は、昔からこの制度を実はとってきたのでございますけれども、委付の対象となる船舶の破損の程度いかんでというような偶然の事情によって損害のてん補される程度が著しく異なるという点で、被害者保護の見地から合理的でないということがはっき
