私は不確かなことを申し上げておるのではない。これは、明らかに、大蔵省の中だって、外務省の中だって、知っている人がずいぶんいる。また、その人と現に話した人がおるわけです。だから、総理はあとで、そういう名前は知らぬけれども、そういう顧問弁護士がおったと言われておる。しかし、これはその衝に当たって三十年協定の重要なポイントを握るといわれておる人なんです。そのことを大蔵大臣も外務大臣も何も知りませんということで済まされますか。全然知りませんか。大蔵大臣、もう一ぺん御答弁を願います。
私は不確かなことを申し上げておるのではない。これは、明らかに、大蔵省の中だって、外務省の中だって、知っている人がずいぶんいる。また、その人と現に話した人がおるわけです。だから、総理はあとで、そういう名前は知らぬけれども、そういう顧問弁護士がおったと言われておる。しかし、これはその衝に当たって三十年協定の重要なポイントを握るといわれておる人なんです。そのことを大蔵大臣も外務大臣も何も知りませんということで済まされますか。全然知りませんか。大蔵大臣、もう一ぺん御答弁を願います。
おかしいではありませんか。今政府委員の答弁によると、たびたび日本に来て日本政府と交渉した人物であると言われておる。それを、今度のタイ特別円の再協定を取り結ぶ際に、総理大臣も外務大臣も大蔵大臣も全然知らぬとは、一体何ですか。そんなばかなことがありますか。そんな答弁がありますか。
私が総理にお尋ねしたのは、総理がその人とお会いになりましたかとは尋ねていない。大蔵大臣、その人にお会いになったかとは尋ねておりませんぞ。外務大臣にもしかり。三十年協定の際にタイ側について顧問的役割を果たしたリップスなる人物にづいて何か知っておりますかと私は聞いておる。それを知らないとあなたは言われたじゃありませんか。私はあなたが会ったかとは聞いていない。だから、もう一度答弁して下さい。あなたはあらかじめその人物について知っていたのですか。
それでは、あらためてお伺いいたします。そのリップスなる人物は、当時三十年協定の折に日本にもしばしば来て政府と交渉したと今言われておりますが、どういう役割を果たしたかということについて、外務大臣の知っている範囲でお答えを願いたい。
当時そのリップスと主として交渉に当たった日本側の責任者、あるいは代表とでも言いますか、それはだれであったか。
もう少し具体的に私はお伺いをしたいのでありますが、当時の総理大臣は鳩山さんで、外務大臣は重光さんであったことは、私も一応控えております。私がお尋ねいたしたいというのは、主としてこのリップスと交渉に当たった外務省の責任者、日本側の責任者は一体どなたであったかと伺っておるのです。それはだれであったか。
そういたしますと、当時のいきさつを少しくこの国会の場で私はお話を願いたいと思うのでありますが、当時の重光外務大臣も、お尋ねするに現在すでにこれは故人になられております。一萬田さんは政府の当局者ではございません。そうすると、それに立ち会った中川条約局長がそのいきさつについて私にお答えになるということに相なるのでありますが、政府としてそれでよろしいか。
それでは、条約局長に伺いますが、このリップスは、今あなたも言われたように、また小坂さんも言われたように、向こうの外務大臣の法律顧問としてかなり日本との往来も激しく、当時の日本の首脳部とも相当会談をした重要な人物であります。この人物との間に特別円の問題についてもかなり突っ込んだ話し合いをしたと思われるが、そういう話がございましたか。条約局長に伺います。
政治的な話は、リッブスはだれとしましたか。
その際にリップスは同席をいたしましたか。
けっこうです。だいぶ話がわかって参りましたが、結局、ともかく、リップスという人物が、この日・タイ特別円の処理に重要な役割を果たしたということは明確であります。ただ、遺憾ながら、政治的話をしたといわれる当時の日本側の責任者が、今日ここにおられないので、その点ははっきりいたしませんけれども、私は、日・タイの問の三十年協定についての解釈をめぐっての受け取り方の相違等は、やはり、そういった第三者の介入というところにも非常に大きな原因があったのではないかと実は想像しておるのであります。リップスなる人物がタイに伝えた日本側の異義、このことが誤って伝えられておるのではなかろうかといわれている。そういういきまうについては、外務大臣、どうお考えになり
当時のそういういきさつは詳しくは知らない、憶測でものは言いたくないという話でありますが、私は、これは重要なポイントだと思います。少なくとも今回のあらためてこの協定を結ぶについては、当時のいきさつを——これは、総理だって、外務大臣だって、大蔵大臣だって、さっきから言われた通り、その当時はおられないのですから、詳しいいきさつはわからない。外務省だって、会ったのは中川条約局長だけだと、こう言う。ということになれば、詳細にその当時のいきさつ、経過というものを外務省は調査する責任が私は当然あると思う。一体、リップスについてそういう調査を具体的にやりましたか。その点を外務大臣から伺います。
日本側が断じて譲らぬと主張しておった第二条に関する当時のいきさつであります。そのことの経過が判然としないで、私は、今回の九十六億支払うというあらためての取りきめをやられたということについては、これは何といっても外務省それ自体の調査その他に対して非常に不十分な点があったということが後日必ず問題として起きてくると思う。そういう意味で、今前向きだ、うしろ向きだとか言われておるが、そういうことではなくて、なぜ事態というものを正確につかんで交渉に当たらなかったかと言っている。私はあらためてこれは外務省に要求したいと思う。一体リップスなる人物は今日どこにおるのか、また、そのことについて正確な調査をする意思があるのかどうか、このことを一つもう一度
私はそういうような情報を持っている。ところが、それをあなた方政府としては、そういうことは万なかったであろうという答弁しか今できてない。だから、私の言うのは、あったかなかったか、一体どういう経過に基づいてリップスが向こうにどういう真義を伝えたか、そういうことについての調査をする必要があるということを言っている。政府はすぐこの私の質問に対して正確なお答えを願いたい。 〔発言するもの者多し〕
国会で審議をしてもらいたいと言われるが、審議をするために私は印しておるのであります。審議をするために質問をしておるのであります。常識上、一たん協定したものについて、今総理が言われたが、私が先ほどから再三言っておるように、一たん合意に達しておきながら、その直後からまるきり正反対の受け取り方をするなどということは、およそ普通の常識の場合にはないと私は言っておる。一体なぜ向こうがそう受け取ったのだろうかということを追及しなければ、向こうの主張の根拠そのものは明らかにならない。そのことが明らかにされれば、首相が決断をされて九十六億、あるいは私どもも、やむを得ない、やむを得なかったものと判断するかもしれません。しかし、なぜ向こうがそこまで固執
外務大臣、ちょっと伺いますが、三十年協定は、日本は八月に批准をしておりますが、向こうも批准をしておるのでしょうね。これはどうなんですか。 〔発言する者多し〕
そうすると、向こうの批准がなくて、三十年協定というものは効力を発したのですか。具体的に一つ外務大臣に説明を願いたい。向こうが批准をしなくて具体的に効力を発したのか。そんなばかな条約がありますか。
ちょっと、条約局長、参考に、タイの憲法上の手続——今外務大臣がクーデターという事情によって国会の承認を経ないで憲法上の手続がとれると説明されたんだが、そのタイの憲法上の規定というものをちょっと参考にお聞かせを願いたい。
その点の議論は別といたしまして、ともかく、向こうもちゃんと批准をしておるのです。批准をしておるということは、調印をした政府の意思も確定したし、批准をしたということで国民の意思も確定したということなんです。だから私はおかしいと言っている。だから、一応形式的には国際法としての体裁が整ったから、日本も三十四年までにその金の五十四億は支払ったのでしょう。そういうようなはっきりしたものでありながら、第二条については、これは若干の食い違いどころじゃないのです。まるきり違うんだ。ただでやるというのと、貸してやるというのとは、まるきり違う。そういう解釈の相違というものは、まことにこれは今まで聞いたこともないと私は言うんだ。だから、それがおかしいから
首相は、関知をいたしませんと、こう大みえを切られたわけなんですが、私は関知をするとか関知をしないとかいうことじゃないのです。私もいたずらにこの問題をのみ取り上げているわけではない。この点が判然とわからなければ、当時の交渉のいきさつというものがわからない。当時の交渉のいきさつがはっきりしなければ、九十六億をただでやると池田さんがバンコックに乗り込んで、向こうの在外公館と交渉しているさ中に、すぱっとそれをきめたといういきさつが、私の頭にはのみ込めない。だから、その点を明らかにしてくれということを私は申しているのであって、だから、私は、この点について政府に正確なその辺の事情を報告していただくことを重ねて一つ要求をいたします。