そうすると、今のは新しい数字ですが、合わせますと、日本軍がドゥクーからもらった十九年のこの一年間の軍費が二億七千三百万ピアストル、この際に、あなたは答えられなかったが、当時の仏印の発行通貨量は二十三億七千万ピアストル。一割しかならない、日本の軍費は。日本の軍費がわずかに一割にもならないときに、藤山さんはあなたはくろうとですが、インフレの原因は日本が負担すべきものとお考えになるか。
そうすると、今のは新しい数字ですが、合わせますと、日本軍がドゥクーからもらった十九年のこの一年間の軍費が二億七千三百万ピアストル、この際に、あなたは答えられなかったが、当時の仏印の発行通貨量は二十三億七千万ピアストル。一割しかならない、日本の軍費は。日本の軍費がわずかに一割にもならないときに、藤山さんはあなたはくろうとですが、インフレの原因は日本が負担すべきものとお考えになるか。
それじゃもう一つ。あの激しい戦争の中で、この仏印だけはフィリピンやビルマと全く違った様相を呈して、そうしてサイゴンでもハノイでも終戦の直前まで銀座のような状態でありました。これは誇張ではありません。私が二十年の五月一日にビルマの戦場からサイゴンの総司令に報告に来た。そうして驚いたのは、ジャズもダンスも酒も何でもある。そうして軍人も役人も商社の社員もそこに踊り狂っておった。防空壕一つ作ってなかった。あまりのことに憤慨して、当時の寺内元帥及び沼田参謀長に苦言を呈した、そういう事態があったのです。あの激しい戦争のどまん中に台風の目のように天国が残されておった。仏印だけがこうなった根本原因はどこにあるとお考えになりますか。ちょっと類のない戦
それは答えになっておりません。戦争の奇跡がベトナムにあったのです。その国際的背景を聞いておる、おわかりになりませんか。
そういうことを聞いているのじゃない。私の聞いたのは、戦争の奇跡があった。それは何かといいますと……それじゃお教えしましょう。アメリカとイギリスはドゴール政権を支持しておった、ドゥクーはドゴールと内通しておった。ですから、米英も仏印は連合国側にあるというふうに思っておった。ところが一方、日本はピシー政府を認めており、仏印を友好国と考えておった。いわゆるドゥクー総督のあっぱれな外交手腕で、日本からも米英からもかわいがられてきた。日本の外交官じゃできない芸当をやっている。これがどうしてもここに破壊を加えることができなかった大きな原因があるのであります。従いましてベトナム問題の処理については、フィリピンやビルマと同じ考えをお持ちになっちゃい
私は賠償額の大小を言っておるのじゃありません、賠償としてやるべきものじゃない、本質が。経済協力なら納得する。交戦した事実もない、占領法規の適用をしたこともない、損害もない、こういったような国になぜビルマやフィリピンと同じような賠償の形式であなたはおやりになったかという……。
石炭とか、亜鉛とか、鉛の損害がかなりあったと思いますが、これはどのくらいで、また賠償の金額にしてどのくらいと計算しておりますか。
では、これはおもに北ベトナムで起こったことだが、賠償金額はゴ・ディエンディエムからホー・チミンに半分おすそ分けしますか。
精神的な苦痛を与えたとおっしゃったが、それがもし事実ならば、終戦後仏印人によって日本人がだれ一人殺されたという者があるかどうか。大臣じゃなしに。そんなことは大臣は知らない。
一人もありません。それじゃ、仏印に破れた日本人がどのくらい残留したと思いますか。
そうです。
私がつかんだのは、知っているだけで三百六十名、もっとはるかに多い。これらの人は仏印の娘から恋をされて、結婚して残っております。仏印の父兄は、日本の兵隊さんの子供なら育ててやる、それくらいに日本人を慕ったものです。この事実はどうですか、藤山さん。
私が仏印連絡部で見たことを申し上げますと、あの独立記念日のときに、日本軍の連絡部の庭へ来てベトナム人が二次会をやって、日本の兵隊が御祝儀を出しているのです。また殉難将士の慰霊祭に、日本の軍人が軍服をもって参加しております。この事実から見て、断然仏印には損害なし。もしあるならば、なぜ最高責任者の土橋中将を戦犯で死刑にしないか。ほかの地区では最高司令官はみんな死刑になっているのに、これが仏印では無罪である。この事実が雄弁に物語っておる。この事実をどう判断されますか。
あの時代には、フィリピンも、ビルマも、インドネシアも、最両司令官が全部銃殺されておる。部下の責任を負うて全部が銃殺されておる。ひとり仏印だけは、これは無罪として、これを感謝して送り返している事実をどう見るか。違っておるのです。
じゃ、時間がありませんから質問を急ぎますが、二百億というのは国民の税金です。そうすると、餓死者に対して幾ら、石炭に対して幾ら、米に対して幾らという詳細な勘定書が出なければならない。その勘定書を示して下さい。
ないからできないんでしょう。
そうすると、夫婦けんかの手切れ金と見ていますか。
われわれはベトナムを独立さした。生んでやったと思う。それが大きくなった子供に親が賠償を支払うということはどうなんですか。
発電所と工業センターの費用。
二百億という税金は、賠償というカテゴリーでは説明できない。経済協力を積み合わせていった数がこうなる。そうなれば、この本質というものは賠償じゃなくて、経済協力とお考えになりませんか、藤山さん。
植村さんを特使にされたのはどういう理由ですか。