それでは今の御質問に対してお答えします。 今の野村君の御質問は一つでございました。日本全権がソ連側の首脳部に対して、領土を放棄した言質を与えたことがあるかどうかという点であったと思います。それまで述べられたことは、主として私の行動に対する御批判でございます。私としてはその御批判に答えざるを得ません。外交交渉に当って、いやしくも国を代表して出発するときに当って、その国もしくは政府の主張するところをあくまで十分に主張するということは、その任務であろうかと考えます。しかし、その外交交渉において、交渉が最後の場面に到着した場合において、意見を具して政府と協議をするということも当然のことでなかろうかと考えます。私がモスクワ交渉に出発前に、
